準備

第9話兄さんだってよ

「リーナさん、知り合いに防具を作れる人は居ますか?」

『居ますよ。厨二病ですけど』

「......まあ、人格よりも性能です」

『はぁ、まあ、性能は保証出来ますし。行ってみますか。話は付けておきますので』

「分かりました。いつ行きます?都合の合う日がいいのですが」

『じゃあ、明日は、大丈夫ですか?』

「はい、明日のお昼で」

『場所は、パペットストリートの噴水で』

「はい、分かりました。また明日」


そういえば、名前聞いてなかったな。まぁ今日は、ログアウトしよ。


++++


ああ、妹が、合宿から帰って来てしまう。料理つくらないと怒られる。

今日は、オムライスだな、卵あったっけ?——ないから、ご飯炊いて買ってこよ。


++++翌日


「じゃあ行きますか」

「そうですね、あ、その人の名前ってなんていうんですか?」

「シェイネスです。みんなからは、シェイって呼ばれてます」


なんだ普通の名前じゃん、俺もっと、厨二病が滲み出てるかと思ってた。


「普通、ですね」


その時、店の扉が開き銀髪の人とクマのぬいぐるみが出て来た。


「悪かったね、普通で、多分僕のこと厨二病のやばい人とでも思ってるんでしょ?洗い流したよ、綺麗さっぱり。リーナ、お前か?僕の黒歴史吹き込んだの、後で先輩に食わせるぞ、ガブッと一噛み。ああ、ごめんね、リーナは、僕の妹な。あと、このクマさんは、先輩。ジュンくんだよね?ささ入って入って」

「私を置いて行くなー」

「クマー」

「クマー?!」

「ああ、それしか先輩言わないから」


——カランカラン

毎度おなじみの入店音だ。店内は、日の光が差し込めて明るく、リラックス出来るひと息つきたい人に打ってつけ。ソファーに飛び込みたい気持ちを抑えて、シェイネスさんにつづく。


「ああ、ちょっと待ってて今、ノート持って来るから。そこのソファーに座っててね」


飛び込みたい気持ちが爆発して思わず、あのフッカフカなソファーに飛び込んでしまった。ああ、めっちゃフカフカだわコレ。


「ああ、フカフカだぁ」

「中々見ない素晴らしい飛び込みでしたよ。ふふっ」


思わずハッとなる今俺はなにをしていたんだまあいいや。





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