作中ご飯7:朝霧牛乳のソフトクリーム
今週もやっと金曜日まで辿り着きました。お疲れ様でした。ゆっくり休んで、たまには温ためた牛乳に砂糖やゼラチンを入れ生クリームと合わせて作ったソフトクリームでもくらいやがれ! 俺だ。吉岡だ。
朝霧高原の乳製品事情を紹介するだけで終わってしまう所だったぜ。危ねえ危ねえ。今日もキッチリ撃ち込ませてもらうぜ! 今日のブツはこれだ。
https://www.instagram.com/p/Bi1PzHPhXXp/
朝霧牛乳の手作りソフトクリームだ。映えを考えて金柑のマーマレードソースもかけておいたぜ。本編中ではそのうちツムギが作る予定だ。ちょっとソースをかけすぎたのはご愛敬だぜ。
テロリストとしては恥ずかしい話だが、実は、ソフトクリームを作ったのは初めてだ。朝霧の乳製品を見せるのに、一番威力が高いのは何かを考えて、今までパワー系ばかりだったのでスイーツで攻めてみようと考えたのさ。乳製品のスイーツで威力がありそうなのは、そう、ソフトクリームだ。だが、困ったことに作ったことはねえ。近くの直売所で買ってきて撮影してもいいが、それはテロリストのポリシーに反する。ならどうするか。ググるんだよ! ググってレシピを見つけて作ればいいのさ!
現代では恐ろしいことに、平然と強力な弾薬のレシピがあちこちに転がっている。手元に材料があり、作り方がわかる。なら「作らない」は無いだろ。お前らの腹に弾をブチ込むためにはな!
ググって作り方を調べたところ、牛乳・生クリーム・砂糖・卵黄・バニラエッセンス・ゼラチンが必要な事がわかった。手元にはバニラエッセンスとゼラチン以外はある。だが、バニラエッセンスは使わなくていい。たぶん香りづけ用だろうから、代わりに手元にあるポッカレモンで柑橘系の香りを付けようと思い、スーパーへゼラチンのみを買いに行ったのさ。
レジにゼラチンを持って行くと、レジ打ちのお母さんもさすがに驚いたようだったぜ。それはそうだ。いい年をしたテロリストが、夕飯時にゼラチンのみを手にしてレジに並んでいるのだ。ゼラチンの箱の中に何かブツが入れてあり、何かしらの取引のカモフラージュをしていると思われても不思議はないぜ。お母さんの口からは、思わず「ゼラチン?」という独り言が漏れていたぜ。
だがここでテロの計画が漏れるのはまずい。俺はにこやかに、「実はお菓子を作ることになりまして」と善良な一市民を装って返事をしたのさ。お母さんに「へえ、意外。うまくできるの?」と聞かれたが、「やってみないとわかりません。まずは材料が無いと始まらないので、買いに来ました」と正直に答えると、「それもそうね。頑張ってね」と励まされてしまったぜ。ありがとうお母さん、だがアンタはこの瞬間、テロに加担する側にまわってしまったんだぜ!
首尾よくゼラチンを手に入れたら、さっそく作成開始だ。牛乳を鍋に入れて火にかけ、沸騰してしまわないような温度にして砂糖とゼラチンを投入。溶けきるまでにボウルに卵と生クリームを入れて適当に混ぜておく。たぶん、別にツノが立つまで混ぜる必要はねえ。砂糖とゼラチンが溶けきったら火を止め、ボウルの中身に鍋の中身を少しずつ入れて合わせる。適当になじんだな、というところでポッカレモンの投入だ。トロっとした液体からはそれっぽい香りが漂い、指で掬って舐めてみると、ソフトクリームっぽい味がする。方向性は間違っていねえようだ。
大きめの別のボウルに氷をガッサリ入れ込み塩を振り、少しの水も投入。即席フリーザーというわけだ。その上にソフトクリーム液の入ったボールを置き、グルグルとボールを回したり、泡だて器でかき回したりして温度を下げていく。部屋に持ち込んでTVを見ながらしばらく回していると、手ごたえがでてきた。頃合いのようだ。
ボウルの中身をジップロックに移し、冷凍庫でしばらく冷やせば出来上がりだ。盛り付ける時はジップロックの端をハサミで切り、簡易のしぼり袋にして絞り出せばOKだ。今回はちょっと焦って早めに取り出したので、やわらかめのソフトクリームになってしまいましたがこれはこれで。
仕上げに金柑ソースをかければ完成だ。正直、ソースは別に要らねえ。食べてみると、予想以上にクリーミーでうまい。さすが朝霧牛乳だぜ。ゼラチン入れて冷やせば大抵なんでもイイ感じに固まるだろ(暴論)と思っていたが、思っていた以上にフワッといい感じになっていて驚きました。レジのお母さん、アンタの流してくれたブツのおかけで立派な武器に仕上がったぜ。
駆け出しのテロリストでもおいしくスイーツができる朝霧牛乳。お前らもぜひ手に入れて手作りスイーツを腹に収めてしまうがいいさ!
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