物語の世界を形作るための言葉選びが、分かりやすく、とても美しくなるようにと行われていることが一目でわかる作品です。端的な言葉でも、登場人物の気持ちが真っ直ぐに伝わるセリフも素晴らしかったです。アンデルセンを思い起こさせるような、ビターなラストが印象的でした。
私ごとですが昨日久し振りに懐かしい図書館に行ってウロウロしまして。空気感といろんなポップとか好きだったなあと。こどもの頃飽きるほど読んだいろんな本を探したりしました。その中にこの本があったらいいなと思いました。こどもも大人も関係なくみんなに読んでほしいステキな童話。
なにより描写が美しく、全体的に無駄がありません。登場人物(人、花、動物ですが)の性格も上手く書いています。そして、擬音がごくわずかながら個性的で印象的でした。ちいくる、ちいくるぱたくる、ぱたくる素敵でしょう?童話好きな方は是非!
美しさを誇る薔薇に、それを憂う王様、そして薔薇に心酔するツバメの寓話です。短い寓話なので、あまり内容には触れられませんが、切ないのです。寓話というと、教訓めいたお話になりがちですが、そこを通り過ぎて切なくなるのです。もうこのバカども!大好き!そんな風に思える素敵な寓話を、ぜひ。