一週間が過ぎた。


オシリスは、宮殿を見渡す草原に立ち、小さな弟子達を前にしていた。

オシリスの後ろには師がぴったりと寄り添って立っている。


「私の剣は、補修が間に合わなかった。出来ることなら、私が先陣を切って戦いたいというのに。皆に頼ることになって、すまない」


「オシリス。もし剣があったところで、その手は二度と使えんよ」


オシリスは悔しさを隠さずに、師に視線を送った。

「師は、まだ私がとった行動を批難されるのですか?」


「いや。批難はしないが、しかしその行動が、とても大きな歯車を動かし始めたのではないかという気がしておる。それより。宮殿のシールドが開放されているとは確かなのか?」


「確かです。私は確信しています」

「敵の幹部を信じるのかね?」

「信じます。必ずシールドは開放されています」

「……」


「なにをためらうんです! 信じるしかないのですよ、我々には。たとえ敵であっても、イシスは人間としての道義を理解しているのです。彼女を信じることが出来なければ、マヌを滅ぼすことなど永遠に出来やしないのです!」


「わかった。もうなにもいうまい。だが戦いは五人に任せる。オシリスと私はあとから行く。それだけは守ってもらうぞ」

「わかりました」


オシリスは、五人に命令を下した。

「よし。ではいよいよ我々は、マヌの宮殿への突入を決行する!」

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