13
ブラックは背中に強い衝撃を受けて前のめりに床に倒れ、デンジムーの足元に滑った。
ブラックは、背後から自分を襲ったものを見た。
なぜメイドグリーンが?
「ブラック!」
レッドとイエローとブルーと桜が、そこに駆けつけた。
「ようし、あいつらをやっつけろ!」
デンジムーはメイドグリーンに命じた。
「ハイ」
メイドグリーンの肘と膝がぱかっと開いた。
メイドグリーンはそこから赤い石ころみたいなものを取り出すと、五人に投げつけた。
「危ない、逃げて。あれは高性能爆雷だ!」
桜がそう言うのを聞くまでもなく、四人は散った。
間一髪、桜のいたあたりの床が砕けた。
「さあ、もっとやれ、スクールファイブをやっつけろ!」
桜は、再びメイドグリーンの正面に立っていた。
眼鏡のために視線の行きつく先ははっきりとはわからないが、メイドグリーンの足元のあたりを見つめているようだ。
「なにしてんの、桜! 早く逃げて!」
桜はいきなり顔を上げた。
そして、桜にしては珍しくはっきりした強い声で、きっぱりと言った。
「ロボット三原則!」
メイドグリーンの動きが止まった。
「その一、ロボットは人間に危害を加えてはならない!」
桜は目を閉じて、一言ずつはっきりと言った。
「その二、ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない!」
メイドグリーンが腕を下ろした。
「その三、ロボットはその一その二に反しない限り自己を守らなければならない!」
メイドグリーンは頭を抱えてうずくまった。
「グリーン、ウィルスなんかに負けないで。戻っておいで。僕のところに。それ以上ロボット三原則に逆らっちゃいけない。逆らうと、二十七番目の武器が作動しちゃうから」
「ろぼっと三原則? 二十七番目?」
メイドグリーンがきしんだうめき声を上げた。
「そうだよ。君が出来たときに説明したでしょ? ロボット三原則を破り続けると、二十七番目の武器が作動する。そうなる前に正気を取り戻して」
「二十七番目。アア」
メイドグリーンはゆっくり立ちあがった。
「コワイコワイ。体内爆弾。どっかーん」
「そうだよ。自爆しちゃったらやだもんね。戻っておいで、グリーン、こりゃたまらんってのをやってあげるから」
「ハイ!」
メイドグリーンはひょこたんひょこたんと桜のほうに歩き始めた。
だが、ぴたりと足を止めた。
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