12

翠と燕は立ち止まった。


執拗に二人を追いかけてきたメイドグリーンが、いきなり反転して、向こうに走っていってしまった。

二人は顔を見合わせた。


「…おおおおおい!」

どこからか遥の声がした。

ずいぶん遠くから聞こえるようだが、だんだん近づいてくる。


「あそこ!」

燕が頭上を指差した。


見上げると、向こうの空から、真っ赤なレッドアローと、その後ろのほうにぶらさがっているスクールレッドが、猛スピードでこっちに向かっていた。


見る見るレッドアローの高度が落ち、流れ星のようにごおおおおおおんと轟音を立てながら、中庭の盛り土のなかに突っこんだ。


レッドは、座席の後ろのあたりまで土のなかに埋もれてしまったレッドアローをぱんぱんと叩き、翠と燕に声をかけた。

「とりあえず、この子はおねんねしたわよ。なにがどうなってるのか、わかる?」


翠と燕は首を横に振った。

「わたくし達にもさっぱりですわ」


「僕が説明する」

桜が、腕組みをして立っていた。

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