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「見つけたぞおぉぉぉぉぉっ!」
何もかも砕く勢いでピラコチャの鉄槌が頭上から振り下ろされた。
「いかん!」
白百合仮面は博斗の腰を乱暴に抱えると、ピラコチャから逃げて本堂の屋根に飛び乗った。
「逃がすか! てめえは始末つけてやる!」
ピラコチャは、地面に埋まった鉄槌を再び担ぎ上げた。
「俺達の邪魔をする奴は、皆殺しだ!」
そして勢いをつけて跳躍し、白百合仮面と博斗の立っている屋根のすぐ手前に着地した。
重みに耐えきれず脆くも屋根が崩壊し、ピラコチャは破損した屋根の材とともにガラガラと落下した。
白百合仮面は崩壊に巻き込まれないように再び地面に降りると、茂みを指差した。
「いけっ! あそこに逃げろ!」
「でもグラムドリングが…」
「…取り返してみせる。お前は行け」
「わかった。…右手、手当てしてくれてありがとう」
「れ、礼などいらん」
「そう、か…」
博斗はうなずくと、茂みに走り去った。
本堂が、千年の歴史を含んだような重々しいうめき声とともに崩壊した。
崩れた残骸をかきわけてピラコチャが姿を現し、気合いに満ちた唸りをあげて体についている木切れを払いのけた。
そこに、白百合仮面は躊躇なく飛びこんだ。
ピラコチャが鉄槌を振り上げるよりも早く、白百合仮面はその腰に下げられていたグラムドリングを奪った。
ピラコチャの膨れた腹を手がかりにして円を描いて一周し、ピラコチャが鉄槌を振り下ろしたときにはすでにそこから離れていた。
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