7
五人は、音の出所だったと思われる場所に到着した。
「あーあ、これはひどいわ」
遥は鼻をつまんでみせた。
路肩のゴミ収集場所から、生ゴミが辺りに散乱している。
青いゴミバケツが転がっていて、ゴミ袋の中身が撒き散らかされているのだ。
おまけに、新聞紙や発泡スチロール、そして、さっきからここまで続いている空缶まで、全部ごちゃごちゃになって転がっている。
「ぶんべつしないとおこられるんだよ」
燕が言った。
「ほんと、こりゃひどいね。良心のかけらもない」
由布は飛び出した。
「あ、由布、どうしたのっ?」
四人がその後に続く。
影は、角からわずかに姿を覗かせただけですぐに姿を消したが、由布はためらわず追った。
角を曲がったところで、由布は、影の正体に出くわした。
「スクールファイブ?」
めいめい空缶を手に持ったスクールファイブの五人が立っていた。
赤、黄、黒、青、緑。
遥達を前にして、五人はおろおろと慌てふためいている。
だが、遥達も動揺した。
「ど、どういうこと?」
「ははあ。こいつらが騒ぎの原因なんだな。ゴミを荒らしたり空缶を並べたりしてたのは、こいつらだ」
桜は言った。
「でも、よく出来てるわね。ほんものそっくりじゃない」
遥はまじまじと五人を見た。
「ええ? どっこが?」
桜は反論した。
「どこから見ても」
「手袋とプーツの色が違う! 僕らは白、あいつら金ぴか! 僕らは白いスカーフしてるのにあいつらは赤! どっからどう見たってバレバレじゃん!」
「よく見破れますわね、桜さん…。すごいですわ」
由布は苦笑した。
「誰でもわかりますって…」
「まったく。せんせ達も、誰も気づいてくれないんだから」
「でもそれなら話は早いわ、あいつらニセモノなんでしょ。懲らしめてやらないと」
「そうですわ。ニセモノですわ! 名誉毀損ですわ!」
「ニセモノ? よーしっ!」
燕は、手に持っていた空缶を地面に置くと、ジャンプして一気に間合いを詰め、おろおろしているにせレッドにまわし蹴りを浴びせた。
「たあっ!」
「ムーっ!」
にせレッドは吹っ飛ばされ、衝撃でバイザーが外れた。その下から出てきたのは、戦闘員の青い覆面だった。
続いて、他の四人のニセモノも戦闘員の姿に戻った。
「ああっ!」
遥は、驚きの声を上げた。
「んな、驚くことかい。わかりきってたことじゃないか。ほら、さっさとニセモノ片づけて帰ろうよ!」
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