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ところかわって、生徒会室。
「あうー、疲れた。もう、今日はなんにもないでしょ?」
「そうですね」
「開会式に、怪人に、もう、今日一日で三日分のエネルギーを使いきったような気がしますですことよ。はぁ~、肩がこるこる」
「翠、オヤヂくさいよ。だいたい、今日は僕がいちばん疲れてなきゃいけないところなんだからね」
言いながら桜はにやにやしていた。なんだか、今日は疲れた気がしない。
「ねえ、つばめ、おなかへったよ」
燕が由布のスカートの裾をくいくいと引っ張った。
「昨日と同じですね。お風呂に行って、それからご飯にしましょう」
「そだね。んじゃあ、そろそろいこっか」
「まーた銭湯に行くんですの~? わたくしの可憐な肌が悲鳴を上げてますですわ」
「なにが可憐よ。ぶつぶつ言うんじゃないの。銭湯って楽しくていいじゃない」
「燕。今日は泳がないでよ。一緒にいると恥ずかしいんだから」
「はーい」
「返事だけはいっつもいいんだから」
桜はふうと息をついて笑った。
五人は私服に着替えを、通学路をつっつきあいながら歩いた。
「なんかこー、ほんと、早くお風呂に入ってあったまりたいな」
「それは同感」
陽光学園には、温水シャワーももちろん完備されているのだが、なぜか伝統的に、陽光祭で泊まり込む生徒会はここ、松の湯に来ることになっていた。
遥達もその伝統に倣い、昨日から松の湯に通っている。
「ゆ」と大きく書かれたのれんをくぐると、やや湿っぽい空気が身を包み、なんとなくざわざわとした雰囲気がやってきた。
入り口から中にはいると、待合室を思わせる部屋がある。
ソファとテーブルが並べられ、正面にはテレビ、傍らには自動販売機と観葉植物。壁にくっつけるようにして、アーケードゲームの卓が何台か並んでいる。
「駄目だったら」
桜が、ゲーム台のほうに行こうとした燕の首根っこをつかんで引っ張り戻した。
「あとで。風呂から上がったら」
「は~い」
番頭の老婆に代金を払った遥が振り返った。
「桜、なにしてんの? さき入っちゃうよ」
「待って、いまいく」
桜と燕はおたおたとやってきた。
「大人一人、子ども一人」
「桜さん…」
「冗談だよ、冗談」
「桜のは冗談に聞こえないの」
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