第三話「山葵園防衛指令」 刺激怪人ワサビムー登場

第三話「山葵園防衛指令」 1

「…というわけで、これが、七人分の宿泊券だ」

と理事長が封筒を博斗に渡した。


「ゆっくりさせてあげればいいんですよね」

「そうだ。…羽目を外さない程度にな」

「任せてください。しっかり見張っておきますよ」


「ただし!」

「ただし?」

「彼女たちに、腕章を携帯させることは忘れるな。万が一というときには、とんぼ返りしてもらうこともありうるのだからな」


博斗は軽く礼をして、理事長の前から下がった。

理事長室を出た博斗は、その足で生徒会室に向かった。


生徒会室には、五人と稲穂がいた。

「みんなにいいニュースだ」

博斗は笑みを浮かべながら言った。

「ゴールデンウイークに、生徒会は一泊の合宿に出かける」


「合宿?」

「…というのは、名目でな、要は、みんなに骨休めをしてもらおうってわけさ」


「きゃ! やったぁ!」

生徒会室にぱっと花が咲いた。

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