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モニターが正門を拡大した。
三人の女子生徒が正門のところで留まり、守衛室に鞄をぶつけて暴れている。
「あの子達が、未確認の存在?」
「いえ、違います。彼女たちが暴れている原因をご覧ください」
さらにモニターがクローズアップされ、生徒の一人の額を映し出した。そこには、黒い棒のようなものが貼りついている。
「なんだ、あの黒い物体は?」
「毛虫です」
「毛虫?」
「はい。毛虫が彼女たちの額に取りつき、なんらかの方法で彼女たちの意志をコントロールしているものと思われます。ムーの仕業と見て間違いないでしょう。こちらを見てください」
ひかりは、画面を切り替えた。
正門を出てすぐの路地に、異様な集団がいる。全身真っ青な衣服に身を包んだ奇怪な男達が二、三十人。その先頭には、ひときわ目立つ奇抜な衣装に身を包んだ二人がいる。一人はほっそりとした体つきに、極彩色の衣装を身にまとい、顔を漆黒の仮面に隠している。もう一人は、ゆうゆう身長二メートルは越えようかという巨漢だ。身体の上下と左右がほとんど同じ幅といっていい。
「なんだ、奴らは? 特に二人は仮装大賞みたいな服装だなあ」
「ムーではあれが正装なのです。正装は相当な実力者にしか認められない由緒ある服装」
「ということは、まわりの青いのは雑魚としても、あの二人は別格ということか」
「はい。決して油断されないよう」
「よし、君たちの初陣だ。俺が指示を出すから、戸惑うことはない。基本的な戦い方は、君たちの腕章が覚えている」
「了解!」
「それじゃあ、早速、変身してみるんだ!」
一同は肯くと、それぞれの左腕を突き出し、右手で腕章を押さえた。これが、変身発動のポーズなのだ。
「スクールファイブ!」
かけ声一閃、そこにはそれぞれのカラーの鮮やかな輝きで強化されたブレザーに身を包んだスクールファイブの姿があった。
「よし、問題はないようだな。繰り返すが、君たちのコスチュームは、ムーの科学力が生んだ合成繊維セラミロンで強化された強化服だ。あらゆる熱、衝撃から君たちを守り、そして君たちの身体能力を飛躍的に向上させる。また、君たちの変身には0.4秒を要する。そのことは忘れないように」
「了解!」
「各自の武器は、ムー人固有の能力である精神感応力と腕章とのシンクロによって、望み通りのものがすぐに現われる。また、強敵に対しては五人で力を合わせた必殺技で立ち向かうこと」
「了解!」
「これ以上はぐだぐたいってもしかたがない。あとは実戦を通じて覚えよう。いいな!」
「了解!」
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