第4話
そのまちは台風の進路にある。
3682が逝ったのも台風の当たり年だった。
今年も台風が多くて、街角のポストたちはひいふう言っていた。
激しく吹いた朝、3836は、ほんとうに、恐る恐る目を開けた。
4300が倒れてないか、そればっかりが
心配で。
無事だった。
良かった。
でもなんか、ちょっと違うぞ。
僕たちはいいんだけど、街がすこし曲がってる。
違っ
僕らがそろって曲がってるんだ!!
30°くらいのズレ。
こどもとか猫とかが、ちょっと考えごとするてきな角度。
それがかわいいと評判呼んで、世界中から僕らを見にくる人が!
毎日毎日写真写真写真。
僕ら挟んで写真撮ると幸せになるとか、さらに同じように斜めると倍幸せになるとか。
新しいジンクスが生まれては消えるなか、僕らはジンクスの道具であることに、だんだん嫌気がさしていったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます