第4話

そのまちは台風の進路にある。

3682が逝ったのも台風の当たり年だった。

今年も台風が多くて、街角のポストたちはひいふう言っていた。

激しく吹いた朝、3836は、ほんとうに、恐る恐る目を開けた。

4300が倒れてないか、そればっかりが

心配で。

無事だった。

良かった。

でもなんか、ちょっと違うぞ。

僕たちはいいんだけど、街がすこし曲がってる。



違っ



僕らがそろって曲がってるんだ!!



30°くらいのズレ。

こどもとか猫とかが、ちょっと考えごとするてきな角度。

それがかわいいと評判呼んで、世界中から僕らを見にくる人が!


毎日毎日写真写真写真。

僕ら挟んで写真撮ると幸せになるとか、さらに同じように斜めると倍幸せになるとか。

新しいジンクスが生まれては消えるなか、僕らはジンクスの道具であることに、だんだん嫌気がさしていったのだった。


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