〜手術後〜
手術当日①
今日、無事に手術が終わった。
忘れないうちにできるだけ細かく書いておこうと思う。
[5月23日]
手術は13時半からの予定。
食事は5時間前から、水分は2時間前から禁止となる。
8時には起きて朝食を食べておこうと思ったが、普通に寝坊してしまった。
とりあえず水だけ飲んでから、二度寝する。
もし遅刻したら、どんな理由でも(電車遅延だったとしても)手術は延期になると念を押されていたので、余裕をもって家を早く出る。
で、30分前には着いてしまう。
喫茶店でのんびりしながら本でも読むか、と思ったけれど、よく考えたら水分すら禁止されている。
仕方ないので、病院の近くをぷらぷらと散歩をして時間を調整した。
時間になり、受付で承諾書を提出したら、個室に案内された。
個室といっても、カーテンで区切られたスペースに、深く座れる一人用のソファーがあるだけだが、それだけでも随分と落ち着く。
そこで、まずは「ジェネリック」と「オーソライズドジェネリック」は違うこと(※)を説明される。
※「ジェネリック」は通常の薬と比べて、審査がちょっと甘いらしく、効果も弱い可能性がある。
「オーソライズドジェネリック」は通常の薬とほぼ同じように作っているので、効果も保証できる。
手術のあとは処方箋を出すけど、もし薬局で「ジェネリック」を希望した場合、薬の効き目が悪かったとしても責任は負えないよ、とのこと。
こういうのを前もって教えてくれるのは地味にありがたい。
処方箋を持っていって「ジェネリックにしますか?」なんていきなり聞かれたら、きっと迷うから。
少し待つと診療室に呼ばれ、先生に喉をみせる。もし風邪を引いたりして喉が腫れていたら手術はできないらしい。
ぱっと見て、「ん、オッケ」と言われる。よかったよかった。
個室に戻ってソワソワしていると、看護師さんが呼びにきた。
いよいよ注射をされるときがきた。
まずは肩に筋肉注射。唾液の分泌を抑えるためらしい。
やべえ。筋肉注射って痛いんだよな。心の準備がまだできてないのに……。
なんてことを思っているうちに、注射はあっさりと終わった。
もしかして、すごく注射が上手い人なんだろうか。やった、ラッキー!
そして次は、普通の点滴。
そういえば点滴なんて、小学生の頃以来やってない。四半世紀ぶりの点滴だ。
もしかしたら技術が進歩して、点滴も痛くなくなってるのかな、なんて淡い期待を抱いていたけれど、残念ながらこっちは痛かった。注射キライ……。
また個室に戻って少しすると、看護師さんが水飴みたいな瓶とスプーンを持ってきた。
口の中の麻酔らしく、その水飴のような薬を30分間ずっと口に含んで待つらしい。地味につらそう。
「間違えて飲んだら、どうなるんです?」と聞いたら、身体に影響はないから大丈夫とのこと。ただ、ちょっと苦いらしい。苦いのはいやだなあ。
看護師さんが持つスプーンを「あーん」と口に含み、薬を口に入れる。
お、全然苦くない。むしろちょっと甘い。これなら余裕。
「もし飲んでしまったら薬を追加するので呼んでくださいね」と言われ、一人個室に残される。
左手は点滴で動かせないので、右手だけで30分読書をしたり、このエッセイのメモをしたり。
口の中はというと、やっぱり麻酔ということだけあって、舌がどんどん痺れてきた。
歯医者の麻酔のような感覚。
ただ、さっきの筋肉注射のおかげで唾液が抑えられているせいか、30分薬を口に含んだままという状態でも意外と辛くなかった。
30分ちょっとしたら、看護師さんが個室に来て、手術を始めることを宣告される。
口の中の薬を看護師さんの持つトレーに出し、診療室に向かう。
(つづく)
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