第4話 circle

 別の日。

 白衣さんと話していてサークルというものがあるのを知った僕は興味を持ったサークルの部屋に向かっていた。

 「ここか。神話サークル、世界中の神話に詳しくなるのは世界の成り立ちや文化を知る上で有益だからな。面白い人がいるといいな。」

 期待に胸を膨らませてドアを開けた僕の目に飛び込んできたのは、怪しいかぶりものをかぶった集団がじゅもんを唱えるという筆舌に尽くしがたい場面だった。

 「ふんgるい mぐるなh クトゥルフ るるい うgんh ふたぐn」

 呪文はよく聞き取れない。カーテンも締め切っていて、蝋燭の明かりだけが部屋を照らしている。何やら緑色の言葉にできない・・・蛸だろうか?が見えた気がしたが、僕は慌ててドアを閉じた。・・・と、ドアが勝手に開いた。いや閉まってくれ。ドアの向こうから緑色の被り物をした何かが出て来た。どうやらドアが一人でに開いたわけではないらしい。人?の手によるものだった。

「入会希望かい?見学だけでもしていくといい。いあ!クトゥルフふたぐん。」

 絶対に関わっちゃいけない気がする。逃げよう。

 「いえ、結構です。」

 「まあそう言わずに、今お茶入れるから。」

 緑色の被り物をふごふご鳴らしながら喋ってる気持ちの悪い人のような何かは僕の手を掴んで強引に室内に引き入れてしまった。

 室内にはよくわからない造形の被り物やなんの動物かわからないというか、動物なのかすら怪しい剥製やら蝋燭やら蛸か烏賊のぬいぐるみ?やらなんだかおどろおどろしいものが満ち満ちていた。bgmに何やら聞き慣れない言語の歌?が流れている。

 「あの・・・さっきからいあいあ聞こえるんですけど、これは一体?」

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