第8話

 朝になり昨日行っていた紗優の友達を家に連れてくることになった。

「連れてくる前に電話して暇か聞いてみなきゃ。」

 紗優は電話を取り出し友達へかけた。

「あ、千紗都ちゃん?今大丈夫?ちょっと来て欲しいところがあって。」

 紗優は楽しそうに話している。


「これる?それじゃあ栄さんの家に来れる?栄さんと千紗都ちゃんきっと仲良くなれると思うから!」

 私の名前が出てから紗優の電話から音が漏れ始めた。

『私は紗優ちゃんだけいればいいわ。』

「そんなこと言ってたら一緒に学校言ってあげないよ!」

『なら私学校に行かない。』

「そんな……。」

 学校へ行かないと言われた紗優は見てわかるくらいなショックが顔に出ている。

「若葉ちゃん、紗優ちゃんどうしたの?」

 朝食の片付けを終わらせてきた幸が不思議そうに私に尋ねる。

「電話で友達に学校へ行かないって言われてショック受けてるんだと思う。」

「そうだったんだー。」

 幸は笑いながら自分の椅子に座る。

「……聞こえてた?」

 引きつった顔の紗優が私たちに聞いてきた。

「しっかり聞こえてたよ。愛されてるね紗優。明日の学校で紹介してくれればいいよ。」

「ありがとうわかばちゃん。」

 幸は困った顔で電話をまた始めた。

「栄さんたち今日じゃなくてもいいって言ってたから次は来てね千紗都ちゃん。」

『考えておくわ……。』

「それじゃあまた明日の朝迎えに行くね。」

 電話を切った紗優と目が合った。

「紗優、また丸聞こえだったよ。」

 私は電話の内容が聞こえていて恥ずかしがっている紗優に追い討ちをかけるように言った。

「若葉ちゃん!そうゆうのは黙っててあげるの!」

「さちちゃんの優しさが辛いよ……。でも千紗都ちゃんに嫌な気持ちさせちゃったかもしれないし直接謝ってくるから今日は帰るね。」

「そっか。私からもごめんって言っておいて。」

「幸ちゃんわかばちゃんありがとう楽しかったよ。明日学校で絶対さちちゃんたちのところに連れてくから!それじゃあお邪魔しました。」

「また来てね紗優ちゃん。」

 そして私たちは2人の生活に戻った。

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