第3話


「ここ……だよね?」

 私、明坂紗優は新しく出来た友達の家に呼ばれました。そして約束の10時を道に迷い遅れ今は10時30分。

 「はぁ……初めて呼ばれたのに遅刻だよ……嫌われたらどうしよう……。」

 呼び鈴を鳴らす。

 家の中から足音がしドアが開いた。

 「こんにちは、遅れてごめんね幸ちゃん!」

 「……幸の家隣だよ……?」

 幸ちゃんの家だと思い呼び鈴を鳴らした家は栄さんの家でした……。

 「ごめんなさい!間違いました!」

 私は謝り走り去ろうとしました。

 「あ、紗優ちゃん!遅かったね!」

 振り返りそこに居たのは小さな箱を抱えた幸ちゃん。

 「昨日から若葉ちゃんの家に住むことになったから荷物移動してたの。まあ入って入って!」

 「幸私それ聞いてないんだけど。」

 「若葉ちゃんお風呂入ってる時に言ったよ!しかもわかったって言ってたじゃん!」

 「幸は一応居候なんだから私にちゃんと言ってよ!」

 栄さんと幸ちゃんは私を置いて口喧嘩を始めた。

 「ま、まあ二人とも落ち着いて!」

 私はその二人の口喧嘩の間に割って入ってしまった。

 「立って話してても仕方ないし家に入りなよ。」

 「そうだね若葉ちゃん。説明は家の中でするよ。いらっしゃい紗優ちゃん。」

 そして私は栄さんの家に入ることになった。


「それでね栄さん。入学式の日の休み時間に幸ちゃんと仲良くなってそれで今日幸ちゃんの家に遊びに行くことになったの……私、幸ちゃんが栄さんの家に住んでいるとは知らなくて……ごめんなさい!迷惑だったら帰ります。」

 私は栄さんに今回のことの説明をした。

 「明坂さんは悪くないよ。悪いのは何も言わなかった幸だから。幸は後で怒るけど明坂さんはゆっくりしてってね。」

 栄さんは私の事を怒っていなかった。むしろ歓迎してくれているようにも見える。

 「そんなぁ、若葉ちゃーん」

 幸ちゃんは栄さんに頬を引っ張られながら怒られている。

 「あ、あと明坂さん。若葉でいいよ。なんか他人みたいでしょ苗字じゃ。」

 「私も!私も紗優って呼んで!若葉ちゃんよろしくね。」

「よろしく。紗優。」

 今私は高校に入って3人目の友達が出来ました。

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