本作は一行詩、つまり本当に一行で作品として完結している詩が三十編並びます。いずれも私達が日頃使う言葉とは違い、屈折していて、言葉同士が繋がっているとしたら間に何が置かれているのか想像せざるを得ません。この一行は何を表したのか。そこに思いを馳せて、謎の中に迷い込み余韻を味わいましょう。最後に作者による解題が明かされます。読者の当初の想像が外れていることもあるのですが、そのずれも詩の解釈に余地があることの表れであり一興です。