第114話 いとせぬこと
次のサブコア。
美しい地。
透き通った川、美しい花々、各所にかかる虹・・・
「美しい場所だな・・・毒とか無いよな?」
「はい。此処は大丈夫です。少し休憩されますか?」
そうだなあ。
パナケアが虹を食べている。
器用だね。
照れた。
褒めたんじゃ無いからね?
「ご主人様、宜しければ」
ライが果物を持ってきてくれた。
有難う。
「どうぞなのよ!食べると良いわ!」
クリーピーが真珠や宝石の枝を持ってきてくれた。
俺は食べられないので、パナケアにあげて。
クリーピーがパナケアに宝石を差し出し、パナケアが美味しそうに食べている。
「わふ・・・エルフとか捕まえて来たから、食べると良い」
ダリオがエルフを捕まえて来る。
返してきなさい。
レインがダリオの頭をぐりぐりすると、エルフを棄てに行った。
平和だなあ。
ブッ
空中にディスプレイが現れる。
映っているのは若いヤサ男だ。
「どうやって我が愛の城に侵入したのか知らんが・・・敵か、味方か?」
「敵だよ」
尋ねられたので答える。
「ノンノンノン、それは私が決める事だ」
男が、チッチッチッっと指を振る。
「神の遣いだ。権限を返して貰う」
そう宣言する。
いや、敵でしょ。
「構わないよ」
ふわさっ、と髪をかきあげ、言う。
良いのかよ。
「ただ、少しだけ付き合って欲しい、同士よ。キミとなら、分かり合えるはずだ」
「・・・あまり時間は無いのだけど、戦闘回避出来るなら良いか」
ヤサ男は、画面をひき、モニターに映る範囲を広がらせる。
そこには、際どい水着の、
すっ
後ろからレインの手が伸び、視界が塞がれる。
「どうかね?じっくり見給え!」
見えません。
「モンスターは、実に美しい・・・だが、残念な事が幾つも有る・・・せっかく美しいのに、それを味わえない・・・実に嘆かわしい。お触りすら許されず、会話は戦闘に関することだけ・・・それも、自分の思考の及ぶ範囲で・・・モンスターが自分の意図せぬ事をした事が有るかね?」
むしろ、うちの娘がやる事って、意図しない事が殆どだよね。
しゃく・・・
待って、今見えないのに、パナケア何食べてるの。
しかも、こっそり音立てないように食べてる気がする。
大丈夫だよね?
ね?
「だが、私は気付いたのだ。意図せぬ事をしないなら、想像力をはたらかせればいい。そう・・・その結果が、この水着進化だ。これならセーフ、素晴らしい・・・泡とかを纏わせて全裸とかも試したのだが、それは上手く行かなかった。謎泡を出せるマーメイドとかで今度試すつもりだ・・・」
うちの娘、普通に着替えてるけどなあ。
パリ・・・ぷるん。
はむ。
パナケア、本当に何してるの。
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