第113話 わびさび

次のサブコア。


カッコーン


鹿威しの音が響く。

影法師シャドウ・・・ユグドかな?


場所は日本風の屋敷。

広い屋敷だ。


ブッ


モニターが空中に現れる。


「誰だ、我が屋敷に侵入した者は」


結界とかだろうか。

警戒は厳重なようだ。

モニターに出たのは、殿様って感じの初老のおっちゃん・・・じいちゃん?


「神の手の物だ。管理権限は返してもらうぞ?」


俺の言葉に、じいちゃんは驚きの表情を浮かべる。


「な・・・そんな話聞いてないぞ・・・?!」


だから、情報共有しろよお前等。

最初の1人ならともかく、3人目だぞ。


「とりあえず・・・宝竜王ゴールドドラゴンに居るシャナリア殿に連絡をとって・・・」


もう倒したよ。

むしろ全員に一斉送信しろよ。

あと、プライマリーコアにちゃんと連絡しろよ。


「・・・?!反応が無い・・・?仕方が無い、反応があるまで何とか持ちこたえなくては・・・」


良いから諦めて全員に送れよ。


「ぴきぃ、粗茶なのよ」


傍らに控える和装ロリ美女がお茶を差し出す。

どうやってそこに行ったんですかね。


「うむ、有難う・・・熱い?!貴様、こんなに熱いお茶を出す奴があるか!お茶は人肌程度、そんな事も分からんのか!」


怒鳴るじーちゃん。

いや、それ絶対温いぞ。

のどが渇いている時なら良いだろうが。


「後、わさびが多過ぎるわ!」


日本茶にわさびは入れねえよ。

まずそこを突っ込めよ。

・・・地域によっては入れるのだろうか?


「む・・・話が逸れた。とにかく、生かしては帰さぬ・・・死なれてホームに戻られても困る。ひっ捕らえ、封印させてもらうぞ」


「・・・急に真面目な対応になったな」


確かに死に戻り有るなら、殺しちゃ駄目だよね。


「それにしても、そなたはプレイヤーであろう?何故神なぞに与する?」


脅されたからです。


「儂らの仲間になれば、彼の魔王にすら匹敵する力を与えてやれるぞ?」


多分、それ俺の事だよね。


「ふん、恐ろしくて声も出ないか。それでも、降参する気も無いようだな。・・・ひったてい!」


じーちゃんが叫ぶ。

でもさ、


チン


じーちゃんの背後にまわっていたユグドが、じーちゃんをホーム送りにする。


「峰打ちでござる」


クリーピーが侵入しているなら、そりゃユグドも侵入しているよな。

何せ、ユグドは此処では制限なく力発揮できるし。


レインが、ちゃくちゃくと支配を進める。


ボリボリ


パナケアが鹿威しを食べる。

それ食べ物じゃないぞ?

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