第109話 めいえんぎ
「ルートクリスタルを占拠していけば、このサブコアを支配できます。近づけば、マップにクリスタルの位置が出るはずです。一応、予測のマーカーをマップに表示したので、参考にして下さい」
なるほど。
サブコア単位でも、色々やる必要が有るのか。
「わふ・・・このサブコアの管理アカウントに総当たり仕掛けたほうが早いのでは?」
総当たり?
「わふ・・・IDとパスワードを凄い速度で試していくことです。レインなら出来るはず」
「まあ、クエストっぽく、順番にクリアで良いんじゃないか?」
人類の危機ではあるのだけど、リミット明示されてないしなあ。
「わふ・・・付き合ってられない・・・」
・・・拗ねたかな。
ぽふ
本の姿になると、ふよふよ浮く。
「わふ・・・どうせここでは大幅に能力が低下しているので、任せる。浮いてついていく」
大丈夫、いつも通り運ぶよ。
そこは遠慮しなくて良い。
パナケアは此処に来てからご機嫌だ。
楽しそうに踊っている。
てっきり侵入者警戒して色々襲撃有るかと思ったが、一切無い。
美しい自然を楽しむ。
「警戒は怠らないように、侵入に気づかれている可能性が有る」
「ぽふー!」
パナケアが元気に返事する。
「植物の気配しかないでござるな。動物や魔物の気配が一切無いでござる」
植物の楽園かあ・・・あ、美味しそうな木の実。
「ご主人様、あの実は食べられません」
ライがのほほんと言う。
そうなのか?
「はい。猛毒で、パナケアもアレはまだ未中和なので」
ん?
毒が有るのか?
「大気、水、マナ、植物・・・全てが恐ろしい毒でござるな。パナケアが周囲を中和してくれているので、問題無いのでござる。水や木の実は猛毒で、パナケアでも中和は難しい・・・気をつけた方が良いでござる」
さっきまで川に入ってはしゃいでたパナケアだが、今は木の実を貪る様に食べている。
本人が食べる分には大丈夫なのかな。
クリーピーが木の実をパクリ、と食べ・・・顔が一気に青くなり、そのまま吐血して倒れる。
「ちょ?!」
慌てて、ユグド、クリーピーらと一緒に揺するが・・・回復魔法も効果なく・・・
「クリーピー・・・」
「ぴきぃ・・・」
レインが困った様に、
「先、進みませんか?」
そうですね。
マーカーをもとに、探索。
あってるマーカーもあれば、ずれてるマーカーもあって。
それでも着実に支配を奪っていく。
ルートクリスタルを見つけると、レインが侵入開始。
魔法陣やディスプレイが現れては消え、現れては消え・・・赤い色が青く変わる。
ゲームみたい。
ゲームだけど。
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