第104話 さばおち

ぷつ。


視界が暗転、気付いたら拠点にいた。


『・・・あれ?攻城戦は?』


どうなったんだ?


『・・・どうやら、世界の情報量が増えすぎ、負荷が許容量を超え、崩壊したようです。拠点にロードされました』


・・・ええ・・・


『それは、砦獲得状況とかどうなったんだ?』


『リセットされました。開始前所持者が、来週、再来週も所持します』


・・・ちょっと残念な結果。


『ただし、砦のうち1つは修復が必要で、修理に2週間かかるようです』


悲しい事件だったね。


--


クランのアジトで、残念会が行われている。


「確保は順調に進めていたんだけどね・・・残念」


エリスが言う。


「運営の設定ミスか分からないけど・・・明らかにおかしな魔物がうろついていたし、仕方ないんじゃないかなあ。どさくさで、うちのクランの所有砦がおかしい事になってたし」


エルが言う。


「うちのクランの所有砦がおかしくなってたのは、ファンドさんの活躍な気もしますが・・・」


ルミが言う。


「旦那のPTが強すぎて、攻略組ですら逃げ回ってたからなあ」


ボルカンが楽しそうに笑う。


「取り敢えず・・・ファンドさん抜きでもかなり良いとこまで行けたし、次回は砦確保出来る気がする!」


エリスが力強く言う。


・・・何も考えず好きにやってたけど、ここまで他プレイヤーとの差が大きくなると、良くない気がしてきた。

エリスは頑張っているし、クランが大きくなったのはいいと思うけど。

他のメンバーが頑張って小さい砦落としている状況で、俺が上位砦幾つも確保してしまったら、コツコツやってる人達の頑張りが。

砦獲得状況がリセットされて良かったかも知れない。


「残念な事故はあったけど、今日も楽しかったよ。みんなお疲れ様」


俺がみんなに言う。


「お疲れ様。次こそは、きっと砦確保を」


みんな、各々、グラスを掲げた。


--


翌日から、闘技場制覇。

☆7も☆8も、相手が全員棄権してしまった。


原初プロト悪魔デーモンのクローン達も、全て倒した。

これでゲームクリアのフラグは揃ったかな?


週末。

攻防戦。


今回は神々がかなり準備を整え、少々無茶をしても大丈夫らしい。

各地への維持支援施設の建築、攻防戦期間中のリソース集中による大量投入、会場空間自体の強化・・・


防衛戦は大人しく、ハズレクエストと大攻勢を中心にクリア。

マップに湧く全ての敵を瞬殺・・・みたいな事はしない。

少し自重を覚えた。

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