第103話 むけつかいじょう

「ぴきー!」


クリーピーの放った剣は、敵軍の☆8ユニットにあっさり弾かれ、無数の魔法がクリーピーを貫く。

よろよろ・・・となりながらも、クリーピーが反撃。

あっさり防がれ、総攻撃を受け・・・


という幻覚が見えているのだろうか。

何も無い平原に大量のPTが集まって、虚空に攻撃を仕掛けている。


とにかく、本命の砦に向かおう。


「来たぞ、魔王だ!固まるな、一気に全滅するぞ!」

「密度を上げろ!堅守せよ!」

「先手必勝、突撃だ!」

「ぴきぃ!上から来るわ!」

「わふ・・・裏切り者がいる・・・注意して・・・」


作戦が混乱しているようだ。

おろおろしているサモナーが多い。

何か聞き慣れた声が混じっていたような。


どんどん攻撃部隊のパーティーが出てきて、帰還ゲートに突入して行く。

クリーピー?


「ぽふ!」


パナケアが可愛らしく手をあげると、ピンク色の霧を出す。

吸い込んだ敵のサモナーがどんどん眠り始める。


寝ているサモナーやユニットを放置して、クリスタルに向かう。

スケルトンやゴーレムまで寝てるのはおかしくないか?


タッチ。


あっさり城を占拠。

無血開城かあ。

ソロモンの泉が城を占領したシステムメッセージが流れる。


〈な・・・凄い!〉


リュックが驚きのメッセージを送って来た。


〈流石ファンドさん・・・すみません、私達もそっち行きたいけど、今何故か下位レッサー原初プロト魔司書デーモンロードがたくさんうろついてて・・・〉


エリスから謝罪のメッセージが来る。

下位レッサー原初プロト魔司書デーモンロードなら、今召使いよろしく、寝入ったサモナー達を規則正しく並べていってるよ。

こら、クリーピー、変な道具並べるのやめなさい。

何か怪しい儀式してるみたいになってる。


〈こっちは大丈夫だ、何とか脱出する〉


告げる。

取り返されたら取り返された時だし、下位レッサー原初プロト魔司書デーモンロードも置いておくし。


「わふ・・・あれ、原初プロト魔司書デーモンロード


訂正。

原初プロト魔司書デーモンロードも置いておくし。

フラグ無しで戦えてラッキーだね。


砦を脱出・・・とりあえず、上位の城から順に落としていこうかな。

ある城は毒が充満して奪取が出来なくなり、ある城は出口が見えなくなって奪取が出来なくなり、そもそも攻略組が何もない平原で盛り上がっているし。


〈ソロモンの泉の占領した砦の数が激増しているのですが、全てファンドさんでしょうか?〉


エリスからクランチャットが来る。


〈わふ、エリスが頑張っているお陰〉


〈え、私?!〉


これは・・・楽勝・・・

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