第97話 おかえりはあちらです

「姐御、最初のインパクトに比べれば可愛い物だと思う」


パナケアが言う。

確かに。


「・・・まあ良いです」


レインも諦めたようだ。


でもまあ実際、やばい物だ、と分かってみれば、普通に受け入れられる。

無論、油断はしない。


敵が来る。


ダリオが瞬時に複数魔法を発動、叩き込む。

どれも凄まじい威力だ。

☆7か☆8か分からないが・・・


続いて、パナケアの猛毒。

敵があっさり溶けていく。

やっぱり☆8は、強い。


レインが敵を魔法陣で囲い、ライやユグドが攻撃。

安定して倒している。

無双はしていないものの、十分強い。


クリーピーが無数の宝剣を射出。

貫かれた敵達が、一撃で消えていく。

やはり☆8は別格かあ。


レベル上限の解放・・・条件は何だろう。

ダンジョンのクリアなのか、ボスの討伐なのか、ソウルクリスタルを集める事なのか。


「あれは・・・下層への階段?」


俺が呟く。

向こうの方に階段らしき物がある。


「☆7のユニットダンジョンからは、階層が連続しているようですね。どんどん潜れば、どんどん解放されるのでしょうか・・・」


レインが言う。


「とりあえず、行けるところまで行こう」


2階層程進むと、敵が相当手強くなっていた。

マップは、研究所のような場所になっている。

機械とも生物ともつかない造形の敵が迫る。


平たい、紋様が浮き出た様な形の敵が、無詠唱で魔法を連続行使。

ダリオが矢継ぎ早にアンチマジックを発動、対抗する。


ユグドが峰打ち?で斬り掛かるが、受け流され、弾き飛ばされる。

ライの回復が飛ぶ。


パナケアの猛毒ブレス。

敵が結界を展開、防ぐ。


「ぴきい!」


クリーピーの宝槍が飛ぶ。

敵の結界を無視するかの様に貫く。


ゴウッ


ダリオの魔法が敵を焼き尽くす。


「クリーピー、良くやった。みんなもお疲れ様」


「ぴきー!」


当たり前ではあるが、☆7と☆8の差が大きいようだ・・・と言うか、クリーピーが強過ぎるような。


ぎあああああ


敵が一度に数体。

戦力的に厳しい。


「わふ・・・お帰りはあちらです・・・」


ダリオが位相をずらし、敵の群れはこちらを素通りして立ち去った。


「そろそろ戻るか・・・」


出る頃には3時間くらいだろう。

来た道を慎重に戻る。


復活回数は6回。

内、5回が俺。

まあ、頑張ったほうだと思う。


レインの上限レベルが200上がった。

進化カードを使っての上限解放も考えた方が良いかな。


☆8のユニットは、☆7に比べて圧倒的に上がりにくいようだ。

ほとんど上がっていない。

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