第77話 すとおりいはすきっぷ

「ぽふー!」


パナケアはさっきからうろちょろ駆け回り、敵を倒したり、エナジーマテリアルを破壊して回っている。

〔緊急クエスト:裏切り者を探せ〕


ボウッ


NPCが数名出現する。


「これは次々と出されるヒントを元に裏切り者を特定、倒す事でクエスト達成となります。間違ったNPCを倒すと大失敗、早く正解する程大成功となります」


リュックが解説してくれるが・・・


これが裏切り者


書いてあるんだよなあ・・・


「つかまつれ」


「御意」


ライに指示を出すと、ライの光が裏切り者を撃ち抜く。


〔大成功!裏切り者を探せを達成しました!〕


「ファンドさん何でノーヒントで分かったんですか?!」


「あーいやその・・・名推理的な」


「ヒントまだ出てなかったですよ?!」


『ご主人様・・・流石に今のはちょっと・・・個人のクエストなら構わないと思いますが、みんなで参加しているイベントですし・・・システムに沿って楽しみましょう?』


レインがジト目を向けてくる・・・

やり過ぎたか・・・


〔緊急クエスト:勇者を守れ〕


ボウッ


勇者らしき人物が出現する。

・・・そこに殺到するサモナーとそのユニット達!

ぼこるぼこる。


〔失敗!勇者を守れを失敗しました!〕


え、何でみんな倒しちゃったの?!


「あ、あれは良いんです。何というか・・・文化?様式美的な。ストーリーで嫌われているキャラで、どんどんうざい台詞吐くし、成功してもポイントはあまりなく、失敗してもあまりポイント減らない。しかも最後まで護り続けないといけないし、達成困難な派生クエストいっぱい出すので・・・出現したらサモナー達がぼこる事にしています」


「そ・・・そうか・・・」


色々あるんだなあ。


というかストーリーなんてあったのか?


『有りますよ。経験値や強さ的にあまり関係ないので、敢えて言っていませんでしたが』


『いや、そこはちゃんと教えてくれよ。ストーリーはそう言う物じゃ無いだろ。こう、しっかり背景を知って、しっかりクエストをやって・・・それがゲームを楽しむという・・・』


『数多のソシャゲでストーリーは基本スキップだった人が何を言いますか。ルーンストーンもあまり貰えないので、やる価値ないと思いますよ』


『ああ・・・確かに敵がぼろぼろ石落とすからなあ・・・』


ぐうの音も出ない。

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