第76話 ぼうえいせんかいし
「貴君、我が攻略組に入らないかね?最高の地位を約束するよ」
うわ、変なのが来た。
「む・・・おや、何処に行ったかね?」
あれ、どっか行った。
『忍です故』
ああ、ユグドが認識力下げてくれたのかな・・・普通にプレイヤーに効果あるって、よく考えたら恐ろしいな。
ややあって、防衛戦開始。
12の拠点が有り、そこにクリスタルが設置されている。
クリスタルの数が0になると敗北。
最後まで残っていたクリスタルの数とエナジーの値により報酬にボーナス。
クリスタルの再生にはエナジーを使用。
エナジーはエナジーマテリアルの破壊、魔物の討伐、緊急クエストの成功、時間の経過、マテリアルを反応炉に運搬等で回復する。
終了時のクリスタルの数が7個以上あれば攻略戦に移行、らしい。
「うちは2番を守るよ」
リュックが叫ぶ。
「激戦区になるのが、1番、4番、7番、11番です。ここは攻略組が守っているようです」
レインが解説する。
「次に敵が多いのが2番。ここは攻略組も人員を割いていないので、僕達が護りの要になります」
リュックが続ける。
ごばあっ
機械の竜、機械の獣、天使、悪魔、アンデッド・・・他種の魔物が現れる。
敵が現れるのは、クリスタルの外半径30m程の円の外側・・・そこから侵攻してくる。
砦の中や通路に設置されたクリスタルは守りやすいらしいが、2番クリスタルは遮る物がない。
周囲360度から攻めてくる。
そして、
ゴウッ
円の外から、巨人が巨斧を投擲してきた。
遠距離攻撃を仕掛けてくる奴もいるようだ。
みんなそれなりに強い。
クリスタルの傍で守る俺達が何かするでもなく、余裕を持って倒せているようだ。
「何時もは2番って一番に放棄されるんですよね。今日は最後まで護れそうですね」
シャキン
機械兵のスナイパーが遠方に出現。
カン
ユグドが弓を叩き落とす。
ジュッ
ライの放った光で、スナイパーが蒸発する。
「流石ファンドさんですね」
おおー、と他のサモナーが歓声を上げる。
ゴーン!
遠くの方で壁がせり上がる。
エナジーのゲージが減る。
「ああやって防衛スキルを使う事が出来ます・・・が、エナジーを使うので、よく考えて使う必要が有りますね。時々、目立ちたがりの人が勝手な判断でガシガシエナジー無駄にして、周りからPK、後からぼこられる事があります」
エリスがぽりぽり頬を掻きながら言う。
「今回は、8番に人がいなかったそうなので・・・仕方がないでしょうね」
リュックが言う。
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