第75話 ますたあらしさ

攻防戦・・・前半は拠点防衛がメイン、後半は拠点制圧がメイン。

攻城戦はギルド単位で勝利を競うイベントであるが、攻防戦はサモナー達VS魔物のような形で、サモナー同士協力し合う必要がある。

攻略組最上位のクランに続き、かなり上位の位置に食い込んだらしく、ソロモンの泉の行動が戦況に直結するような規模となっている。


「というわけで、今までのように自由にするべきか、作戦立案して率いるべきか、迷っているんです」


リュックが言う。

もう君がマスターやれよ。


「確かにこの規模だと、自由にさせるのは全体としてマイナスかも知れませんが・・・とは言え、このクランは攻略組のガチガチの規則を嫌って流れてきた層も多いでしょうから、ある程度は自由にしてはどうですか?」


レインが応じる。


「それはそうですよね・・・人数が増えて、ちょっと混乱気味でした」


「一応防衛拠点だけ決めておいて、自由参加、とすれば良いんじゃないですか?一緒に行動したい人は一緒に、と」


「そうですね」


「攻略が開始してからも、リュックさんかエリスさんか・・・パーティーとして行動し、一緒に来る人は一緒に来て貰う、一緒に行かない人は各自自由行動、にすれば良いと思います」


「そうですね、有り難うございます。そうしますね」


まあ、俺は自由にぶらぶらしたら良いかな。


「ファンドさんは何処を守られるのですか!付いて行きたいです!」


・・・かなりの数の人がこちらに来る。

何故だ。

出来ればソロ行動をしたかったのだが・・・


「俺はリュック達と一緒に行動するよ」


こうなったら押しつけよう。


「では私達もそちらに!」


メンバーから歓声が上がる。

うーむ。

まあ、大人しくしてよう。


--


攻防戦の会場に行くと、エリスが集団に囲まれる。


「エリス殿、攻略組加入の件、考えてくれたかな?」

「これは非常に名誉な事だぞ」

「この世界の謎を解き、無事みんなで元の世界に帰る・・・その重要性は理解しているだろう?」

「崇高な責務、貴公も受け入れるべきだ」


攻略組って奴かなあ。


「何度も言っている通りです。私達のクランは、自由を求める人が集まったクランです。攻略組には入りません」


「そんな事を言っていて良いのかね?後悔する事になるぞ?」


攻防戦の最中って味方同士攻撃出来るのか?


『別に味方だから当たらないって事はないので、普通に当たりますね。もっとも、PK行為は普通にペナルティーが入るので、やらないはずです』


あまり気にしてなかったけど、当たるのかあ。

爆発して敵にしか影響ないとか、変な話だしなあ。


ああやって見ていると、エリスがマスターなのも頷ける。

なんだかんだいって、エリスに付いてきた人も多いのだろう。

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