第78話 はずれくえすと

〔緊急クエスト:ナンバーズガーディアンを撃破しろ〕


「あ、これはハズレクエストですね」


リュックが言う。


「ハズレクエスト?」


「はい。番号が書かれた順に、制限時間内に撃破しないといけないのですが・・・固い上に、連携も難しく・・・制限時間も短いので、達成不可能なんです。なので、発生したら必ずエナジーが減るので、状況によっては、このクエストが出た回は成功を諦めるしかないという」


ヒュンッ ヒュンッ


ライの上空からの超高速超遠距離射撃が、着実にガーディアンを撃破していく。


〔大成功!ナンバーズガーディアンを撃破しろを達成しました!〕


どよっ


マップ中でどよめきが起きる。


「・・・さすがファンドさんですね」


リュックが冷や汗を流しながら言う。

ちょっとやり過ぎたかなあ・・・


今回も個人に対して貢献度が有るらしく、ポイントが凄い桁になっている。

見なかったことにしよう。


「うわ・・・エナジーゲージが最大値を振り切って伸びてるんだけど・・・初めて見た」


エリスが呻く。


〔警告:2番クリスタルに大攻勢の報告有。兵力を集中させて堅守せよ!〕


「・・・やばい、逃げますよ!」


リュックが焦って言う。


「逃げる・・・?ここを護れって言ってるぞ?」


「無理です。攻略組でも苦戦するレベルの敵が、視界を埋め尽くす程押し寄せるので、素直に兵力を集中させたら全滅します。これが来たクリスタルはもう最後まで放棄するか、出現が完了してから少しずつ進んで奪還するのがセオリーです」


ポウッ ポウッ


避難が間に合わないうちに、どんどん敵が湧く。


「そんな・・・何て早さだ!不味い!」


それでもリュックは懸命に指揮を執り、少しずつみんなを別の場所に誘導する。


「ぽふぽふ!」


パナケアが出現する魔物を次々倒していく。


「らじゃらじゃ」


ライが放った光が、次々と魔物を消し去っていく。


「峰打ち!」


ユグドが振った剣の軌跡が伸び、魔物の群れに突き刺さる。

光が弾け、魔物の群れが消失した。


「わふー」


ダリオの周囲に無数の魔方陣が展開。

次の瞬間には湧いた魔物の足元に転移し、そのまま炎、氷、雷、爆発・・・一撃で葬る。


「ぴきー!」


クリーピーが無数の宝剣を周囲に展開。

出現と同時に敵を貫き、そのまま退場させる。


「撃つ」


レインが光の矢を飛ばし、遠距離攻撃でクリスタルを狙う敵を次々に倒す。


避難を忘れ、ぽかんと見守るサモナー達。

そして・・・数分後には、無事なクリスタルの姿があった。

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