第68話 たそがれにちるえいゆうのかげ

「アルファからオメガ、インデックスとエンティティをコンペア、ロケーションを特定・・・システム領域に対する偽装から、オブジェクトの位置を推測。マップに表示します」


レインの周りに無数のモニターが出現。

グラフやら文字やらが動いている。

格好いい。

流石俺の嫁。


「ああもうっ邪魔しないで下さい!」


レインがウインドウを操作しつつ怒鳴る。

マップに印が追加されていく。


「とりあえず、何か有りそうな場所だけ、ポイントしました。何かは分からないし、完全に見つけられたとは考えられません」


「有難う。それでも助かるよ」


レインの頭を撫でる。


「私も頑張って看破しますね」


ライが言う。


「より気をつけるでござる」


ユグドが言う。


「ぽふぽふー、常に瘴気撒いて、牽制しますね!」


PTメンバーには各種ステータス向上。

それ以外には致命的な毒らしい。

姿を消してにじり寄ってた燭台が、倒れ、塵となって散る・・・致命的とかそんなレベルなのか?


「瘴気のお蔭で、罠の場所も分かりやすくなりました。マップの印と併せると、大分判別できますね」


ライが言う。


少しずつ進み・・・宝箱はパナケアが猛毒振り掛けてから開け・・・


ボスとの戦いもかなり厳しかった。

パナケアがマップを瘴気で満たし、レインがシステム側から妨害を仕掛けて動きを鈍らせ、後はみんなで集中攻撃。

倒しても確率で完全復活するようだ。

何とか倒す。


結局、宝箱から1個、ボス3回で2個、何とか3個集めた。

疲れた・・・


「お疲れ様」


みんなに声をかける。

みんな疲労困憊だ。

何と言うか・・・精神的に凄く疲れた。


マイハウスに戻り、食事とお風呂を済ませ・・・


「良し、クリーピー、使うぞ」


「ぴきー!」


クリーピー

 種別:フェイクトレジャークイーン

 ランク:☆3(☆6)

 レベル:1/500

 スキル:

  黄昏に散る英雄の影蜃気楼の如く詠う狐火

  開闢の刻は全ては偽るフォーディメンジョン

 PTスキル:

  宝箱出現率上昇(☆6)

  レアアイテム出現率上昇(☆6)

  素材ドロップ率上昇(1000)

  自動復活(20)

 武器:

  ミスリルハンマー ☆3 50/50


スキル名毎回変わってるんだが・・・これ、身代わりと武器作成だよな、多分。

ややこしい。


PTスキルが増えたスキルかな?

死亡時に20%の確率で自動復活とかだろうか。

そこまで確率高くないし、かなり微妙な気はする。


ドロップ率アップは普通に便利だし、本人が言う通り、非戦闘員なのだろう。


「さて、寝ようか」


寝ようとすると、クリーピーが寄って来る。


「どうした、クリーピー?」


「ぴきー、今日はクリーピーがおつとめするのよ!」


・・・いや、出るところは出てるけど、幼女だぞ?

まあ今日はゆっくり休もう。

凄く疲れたし。


--


レインがぺとっと背中にくっつき、話しかけてくる。


「鬼畜ロリコンマスター、今日はどうするのですか、いつまでも黄昏れていないで下さい」


「俺はこのままここで朽ち果てるんだ・・・」


部屋の隅で体育座りしながら、俺は呻く。

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