第67話 めんどうくさがり

「お前、本当に面倒臭がりなんだな。筋金入りだ」


呆れ半分、称賛半分に言う。


「わふ・・・褒め過ぎです」


ダリオのダンジョンは、くりぬいた程度の窪みのようなダンジョンに、ぽつんとソウルクリスタルが3つ置いてあるだけだった。

本質は怠惰?


「何と言うか・・・凄いですね」


レインも言葉が無いようだ。

とは言え、楽ではあった。


「良し、進化させるぞ」


「はいっ!」


ダリオが光に包まれ・・・


ダリオ

 種別:フライングブッククイーン

 ランク:☆3(☆6)

 レベル:1/500

 スキル:

  全魔法(☆6)

  無詠唱(☆6)

  召喚(☆6)

  迷宮創造(☆6)

 PTスキル:

  経験値アップ(1000)

  使用回数制限解除

 武器:

  なし


見た目、ステータス、あまり変化無し。

迷宮創造って使い所が分からないな。

経験値アップが大幅強化されてるっぽいのは嬉しい。


「経験値アップ役に立ちそうだな。よろしく」


ダリオの頭を撫でる。


「ひゃうう?!」


ダリオがへたり、と座り込むと、涙目で抗議する。


「触るなら予め言ってもらえますかっ」


キッと睨まれる。

言ってからじゃないと駄目らしい。


「さて・・・まだ時間あるし、次は・・・」


「ぴきー!クリーピーも進化したいわ!」


「そうだな・・・じゃあクリーピーで」


ドロップ率アップは重要だ。


クリーピーのダンジョンは、大人しいダンジョンだ。

土壁のダンジョンに、所々置かれる宝箱。

マップも使えるようだ。


「ぴきー。クリーピーに似て素直なダンジョンなのよ!」


俺は、みんなに向かって、言う。


「みんな、油断するなよ。マップも、目に見える物も信じちゃ駄目だ」


「ぴきー?!」


クリーピーが心外そうに悲鳴を上げる。


「大丈夫でござるよ。宝箱の中身や、罠の位置は分かるでござる」


ユグドがそう言い、宝箱に歩いて行き・・・


がぶり


箱が開き、ユグドの頭が丸飲みされる。


「??!」


慌ててよろめくユグド。

ライとダリオの回復魔法が飛ぶ。

パナケアが引き剥がそうと駈け・・・


どぶ


天井から煮え油が落ち、ユグドを包む。


「おおおお?!」


カチャ


ゴウオオオオオ


炎が壁から吹き出し、ユグドが炎に包まれる。

レインが吹雪を召喚、ユグドを包む。


パナケアが辿り着き、ミミックを毒で眠らせる。

ミミックが外れる。


ようやく消火、油の除去が終わり、ユグドが一息つく。


「かたじけないでござる・・・」


ユグドがぐったりと言う。


「ごめんね、私も警戒してたつもりだったけど、想定外だったわ」


レインが力無く言う。


「ぴきぃ・・・」


そっと目線を反らすクリーピー。

パナケアの時は、パナケアが頑張って中和してたけど、クリーピーは偽装は得意でも偽装解除は出来ないんだよな。

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