第41話 めいすいり

「貴女が犯人ですね?」


「なっ?!何を言うんですか!」


指摘すると凄く動揺する少女。

周りもざわっとする。


「服を脱いで下さい。胸の辺りに、トリックに使ったナイフを隠している筈です」


「・・・そ・・・そんな訳ないでしょう!適当な事を言って私を辱めるつもりじゃないですか!」


どよ・・・周りがどよめく。

えー。


「エリザベス・・・それが貴女の本当の名前ですね?貴女は実の父が・・・」


仕方がないので書かれている周辺情報を読んでいく。


「・・・く・・・そこまで・・・どうやってそれを知ったの?!」


書いてあったんです。

抵抗がなくなったので、少女の服をめくると、凶器に使ったナイフが発見された。


どんっ


少女が凄い力で俺を跳ね飛ばすと、家具を操作、地下階段が出現し、そこに駆け込んだ。

ちなみに、逃げるのは確定していて、妨害する事は出来ない。


「・・・ライの能力便利過ぎますね・・・」


レインが呻く。


「俺達が追いかけます!」


NPCのみんなに告げ、地下に入る。

ここからはダンジョンだ。


「ぴきー!ここからはクリーピーの本領発揮よ!ざくざく宝が出て凄くうはうはなのよ!」


クリーピーが豊かな胸を張る。


「これはもう確定事項よ!凄く儲かるのよ!」


・・・なんか若干、フラグ建ててる感があるんだけど・・・


「そこまで自信満々に言われるとちょっと不安になってくるんだけど」


ぽそっと俺が言うと、


「ぴきー?!クリーピーを疑うなんて!いいわ!もし今回の探索でびっくりするような儲けにならなかったら、クリーピー何でもするわよ!」


何でもするって言った。


「・・・クリーピー、それが目的じゃないでしょうね」


レインが冷ややかに言う。

何が目的なんだろう。

フラグを建てる事かな。


ダンジョンは、ミノタウロスやリビングメイル、ガーゴイル・・・なかなかの魔物がひしめく。

出現率を増やしているせいもあるんだろうけど。


クリーピーは、巨大なガトリングガンで敵を倒し、次の瞬間には無数の剣を産み出して敵を貫く。

かと思えば別の場所に出現、巨大なライフルで敵を精密射撃、倒していく。

・・・十分強いじゃないか!

というか、毎回別の武器を創り出していて、全然落ち着きがない。

ちょくちょく同じのを出しているから、一回しか出せない制限がある、とかではなさそうだけど。

鎖を出して捕縛したり、巨大な盾で防いだり・・・なんだか汎用性が高そうな能力だ。

そしてハンマーはちゃんと役立っているのだろうか。

闘技場で一回使ったところを見たきりなんだけど。


「大丈夫ですよ。武器を装備した、という概念で、攻撃力が底上げされるので。ちゃんと効果は有ります」


レインが解説してくれる。

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