第38話 ひせんとういん
次の試合。
『天使にワルキュリア、神騎士に高位司祭。どれも人気ユニットです』
相手が若干引き気味だ。
『ぽふー!満足したからレインとクリーピーだけで戦って良いよ!』
パナケアが言う。
『ちょ』
『ぴきー!クリーピーは非戦闘職よ!』
レインとクリーピーが抗議する。
『光に耐性有りそうですしねえ』
ライが言う。
確かに。
・・・あれ、天使倒してたような?
「試合開始!」
審判の声と共に、詠唱を始める相手チーム。
ワルキュリアと騎士が向かってくる。
「ダークフォッグ!」
レインの詠唱が完成。
相手の後衛を黒い霧が包む。
「ああもう、クリーピーは戦闘苦手なのに!」
クリーピーがハンマーを構えて騎士に突っ込む。
騎士はそれを盾で受け止め、次の瞬間ワルキュリアの姿が消える。
そして、瞬時にクリーピーの横に回ると、槍でクリーピーを串刺しにした。
「あっ!」
自分の仲間がやられるのを見るのは初めてだ・・・きついが、これからもないとは言えない。
「やりましたか!」
相手が歓喜の声を上げる。
「く・・・」
俺が呻く。
戦闘後に復活するらしいから・・・今は・・・
クリーピーが驚きを浮かべた表情のまま、光の粒となって消えていく。
ダラララララララ!
不意に、ワルキュリアが後ろから撃たれ、前のめりに倒れる。
撃ってるのは・・・クリーピー?!
いつの間にか、巨大なガトリングガンを構え、ワルキュリアを撃っている。
騎士が、クリーピーに肉薄、その体を貫く。
「そんな・・・」
クリーピーがその言葉を残し、驚愕をその顔に浮かべ、光の泡となって消えていく・・・
「・・・今度こそ、やりましたね!」
相手が再び歓喜の声を上げる。
ゴズズズズ
騎士を貫通こそ出来なかったものの、巨大なチェーンソーが騎士の体に食い込む。
持っているのは・・・クリーピー?!
「・・・な・・・」
訳が分からない、といった感じで相手が呻く。
・・・ひょっとして、ダミートレジャーなので、偽装が得意・・・?
というかさっきから色々出してるあれは何だろう。
「カーズボルト!」
レインの魔法が完成、騎士を蹂躙、騎士がボロボロになって膝をつく。
ワルキュリアがターゲットを変更。
一瞬後にはレインに肉薄。
「・・・レイン!」
叫ぶ間もなく、レインに槍が迫り。
レインは紙一重で躱すと、回し蹴りをワルキュリアに叩き込む。
ワルキュリアはそのまま宙を舞い、地面に叩きつけられ戦闘不能に。
格闘もできるのかー。
・・・あれ、後衛集団は?
霧は晴れたが、何かもごもごするだけで何もしてこない。
「こ・・・降参だ!」
相手が降参を宣言した。
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