第36話 たりないたりた

「続いて・・・」


素材でレベル上げ、進化カードを使って・・・


クリーピー

 種別:アークフェイクトレジャー

 ランク:☆3(☆5)

 レベル:1/150


ぽふっ


クリーピーが人化する。

金髪に金色の目、美人だ。

胸はかなり大きく、スタイルが良い。

だが、幼女だ。


「ぴきー、こんなに早く成長させてくれるなんて。ご主人様はテクニシャンね!どう?お姉さんのテクニックも味わってみない?」


だが、幼女だ。


「よろしくな」


ぽふぽふ、と頭を撫でると、目を細めて喉を鳴らす。

幼女だ。


少し素材をあげてみたが、ランク5からは必要経験値が大きく変わるようだ。

とりあえずはここで促成栽培を終了しよう。


「クリーピー、ミスリルハンマー使えるか?」


「ぴきー。クリーピーは、全ての武具を使えるよ。戦闘は苦手だけど」


戦闘は苦手なのか。


「得意な事はあるのか?」


「ぴきー。魔物を倒した時に稀に宝箱が出たり、素材の量が増えたり、宝箱から良い物が出やすくなったりするよ!」


トレジャー系能力か。

優先してPTに入るタイプだ。


「それは良い能力だね、よろしくね」


「ぴきー!」


さて、明日はランク5の闘技場参加と、ランク6のクエスト。

寝よう。


各々、自分のベッドに潜り・・・あ、クリーピーのベッドが・・・あれ、足りてる・・・?

くいくい、と服が引っ張られる。

見ると、レインだ。

上目遣いに、少し拗ねたように言う。


「貴方は何故普通に寝ようとしてるんですか?」


「・・・あれ?」


「闘技場、☆3に参加出来たら何でもするって言ったのに・・・何もしないのですか?あれからずっと待ってるんですよ?」


耳まで真っ赤にしつつ、言う。

・・・そう言えば・・・


「ん・・・」


また唇を塞がれた。

髪をそっと撫でてやる。


--


翌日。

闘技場で☆5ランクを申し込み、控え室に移動する。

昨日までとは、明らかに雰囲気が違う。


『レイン、☆5のPTって多いのか?』


『多いですね。普通は☆5を引き、そのユニットを中心に組むので、普通にやっていれば☆5がスタートラインです』


ぐさ。


『一方で、いきなり☆5を育てても伸び悩むのは確か。停滞する人も多いです』


『なるほど』


『☆5進化素材を貯めるのは容易ではないですからね。☆6の闘技場は、☆6が6体いないときついので・・・そうなると、☆6を外して☆5以下に調整して☆5で出場とかもあり得ますね』


『☆5がどんどん多くなるな・・・』


『後は、☆5に慣れたプロ達がずっと☆5に居座ったり。不敗の王者とかいたりします』


『☆5人気過ぎだ・・・』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る