第33話 くらんかにゅう
「そうだね、名前を貸すだけならいいよ」
「有り難うございます!」
「それにしても、やっぱりファンドさんのモンスター可愛いですね。スポアちゃん可愛いー」
エルがパナケアを抱き上げる。
「パナケアだよー」
手を挙げて挨拶するパナケア。
「喋れるの?!可愛い!」
いいなー、と撫でるエル。
「私もスポア欲しいけど、なかなか出ないんですよねえ・・・」
エルが残念そうに言うと、
「☆3だけで300種類程いますしね。なかなか狙って当てるのは難しいです。☆3はピックアップしませんしね」
レインが言う。
そうなのか。
「ガチャのページにラインナップってボタンがあるから、そこから出るユニットは調べられますね」
見てみる。
☆5で100、☆4で200、☆3で300くらいか。
「あ、そろそろ試合ですね、頑張りましょう!」
「そうだね、頑張ろう」
--
「ぽふぽふー!」
パナケアがパンチとキックで相手のユニットを蹴散らす。
まあ☆5だしなあ。
☆3よりは見ている人が多い。
ちょっとざわっとしている。
そして、エル。
『結構いいユニット揃えてますね。☆4にしては強いユニットばかりです。限界突破もしているようですね』
「ぽふぽふー!」
やっぱり蹴散らされる。
「ああっ、パナケアちゃん強い!」
そして決勝。
やはりあっさり勝利。
報酬を貰う。
ルーンストーン:20→30
丁度貯まった。
「強いですね・・・パナケアちゃん・・・」
エルがこちらにやってくる。
「ぽふー!」
パナケアが嬉しそうに踊る。
「ではクランのアジトに案内しますね」
「うん、よろしく」
--
クランのアジト。
入り口は共通で、自分のクランの入り口に自動的に繋がる形らしい。
「エリス、ファンドさん連れてきたよー」
「ファンドさん、お久しぶりです」
エリスがぺこっと挨拶する。
こちらもぺこっと会釈する。
「初めまして、リュックです」
爽やかな笑顔の青年だ。
「初めまして、ボルカンだ」
ちょっと強面のおっちゃんだ。
「初めまして、ファンドです」
《エリスからクランの加入要請が来ました。加入しますか?》
システムウインドウが表示される。
YESを押すと、クランに『ソロモンの泉』と表示される。
まったり系のクランだとゆるい名前、格好いい名前にするのはガチ系のクランだったりするので、ある程度上位を目指しているのかも知れない。
もっとも、ゆるい名前のクランが上位を占めちゃうソシャゲも結構あったのだけど。
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