第30話 でれでれ

レインに案内されて古城に着く。

初めての☆5クエスト・・・緊張する。


みんな人化する。

武器を持つ為もあるのだろう。


「人化した方が強いの?」


俺が尋ねると、


「強いよー。真の姿って感じ!」


パナケアが答える。


「うわ・・・罠だらけ・・・みんな気をつけてね」


結構色々な箇所に罠のマークがぷかぷか浮いている。

中には、ここは床が脆い、とか、ここは落とし穴だけど先に進めるとか、注意書きが書いてある。

この扉の裏には魔物がいっぱい、とか。


「ぽふー、罠があるって書いてあるから分かるよー!」


「仲間の視界にも色々情報出てるのか」


「はいー。だから安心して大丈夫ですよー」


心強い。


「忍の腕の見せ所が・・・」


ユグドが残念そうに言う。


「ぽふぽふー、敵よせするよー!」


パナケアが踊り始める。

可愛らしい踊りだ。

見ていて飽きない。


敵がぞろぞろと近づいてくる。


古城だけに、リビングメイルにゾンビ、スケルトン、スライム、動く燭台・・・色々だ。

と言うか、多いなあ。

流石☆5。


ザッ


ユグドが一閃すると、10体近い魔物がバラバラになる。

何度も切っているのか、一閃でああなるのか。

多分峰打ちなのだろう。


「デレデレ」


ライから光の軌跡が飛び、魔物を消失させる。

地面には少し焦げた跡が残る。


「デレ?」


レインがキョトン、としてライに尋ねると、


「光/聖、レベル6のディヴァインレイですよ~」


ライが答える。


「・・・何で自ランク以上の魔法を普通に使えるのですかね・・・」


レインが呻く。


「レインはどんな魔法が使えるんだ?」


「私はチュートリアルフェアリーですからね・・・説明の為に、魔法は一通り使えますが・・・とは言え、自ランク以下の魔法しか使えない制限が有りますね」


「なるほどなあ・・・」


確かに、自ランク以上の魔法を使うライは異常なんだなあ。


「ご主人様、騙されないで下さい~レインはさらっと、自ランク以下なら全魔法を行使できると言っています。そっちの方が遥かに異常ですからねー?」


「・・・そうなのかっ」


「チュートリアルフェアリーですからね」


やっぱりレインは凄いらしい。


「ユグドは何が出来るんだ?」


「忍です故、自ランク以下の、戦技一般でござる。盗賊系、とか、剣士系、とかの」


「なるほど・・・さっきから一撃で沢山切っているのもそれか」


「然りでござる。剣聖系のランク6スキル、裂空斬でござるな」


「強そうだな・・・ん、ランク6?」


「忍です故」


・・・あれ・・・?

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