第29話 ふぁいぶすたーくえすと

そう言えば、全滅したらどうなるんだろう。


『マスターがダイレクトアタックされてゲームオーバー。ルーンストーンを払う事で、経験値を引き継いでその場で復活、経験値を引き継いでダンジョンの入り口、外ならセーブポイントに戻る、です』


『つまり、ルーンストーンは使い切ってはいけなかったのか・・・幾つ支払うんだ?』


『自分のレベルと同じ個数、ですね』


『ちょ』


『・・・?どうしましたか?』


『60個もないんだけど?!』


レインは、ああ、と気付いたように頷くと、


『ご主人様はまだ私が居るので半チュートリアル状態です。1回までなら復活にルーンストーンは不要ですし、足りなくてもあるだけでいけます。まあ死なないで欲しいですが』


『最初の11連が完全に罠だよね!』


『私に感謝するなら好きなだけ感謝すると良いですよ』


『そうだな。レインが居てくれて本当に色々助かってる。何より、一緒に居て本当に楽しい。本当に有難う。これからもずっと一緒に居て欲しい』


『・・・!』


それまで淡々と話していたレインが、一転、耳まで真っ赤になり、涙目になる。

・・・やっぱり可愛い。


『・・・チュートリアル終わっているプレイヤーでルーンストーンが足りなかった場合は?』


『・・・あ・・・その場合は、諦めるか、詫び石やログインボーナス、記念プレゼントが貯まるまで待つかですね』


ああ、ちゃんと救済策が・・・あれ?


『ログインボーナスって?』


『今後実装予定です』


『他の手段でも石が配られた事はないような?』


『まだないですね〜』


・・・危険だ。

とにかく全滅は避けないと。

可愛いので手を閉じて乗せつつ、話を聞く。


『ぽふー。ご主人様、僕も構って欲しい〜』


パナケアが後ろから抱きついてくる。

頭(傘)を撫でてやる。


『ご主人様、拙者、体を動かし足りぬでござる。まだ日が高いし、ダンジョンに行きませぬか?』


確かに、パナケアばかり戦ってたしなあ。


『分かった。クエスト受けようか』


☆5の依頼・・・古城探索とか面白そう。


「☆5・・・このクエストは非常に難易度が高いクエストとなっています。攻略が難しそうなら、無理せずキャンセルして下さいね」


受付のお姉さんに警告される。


「分かりました。有難う御座います」


☆5からは警告が付くらしい。

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