第27話 いけた

「そう言えば・・・先程のお金の件ですが」


人化を解き、肩に乗った状態で、耳元で囁く。


「うん?」


「闘技場に出てみるのもいいと思います」


「闘技場?」


初耳だ。


「ダンジョン攻略と同じ感じで、最大6体、デッキ1セットを持って、サモナー同士でバトルをします。優勝者には賞金や、ポイント・・・そしてルーンストーンのボーナスが出ます」


「それは良さそうだね」


「しかも、ルーンストーンのボーナスは、優勝者は10個、準優勝で5個、3位で3個・・・かなりお得となっています」


「お得だね」


確かにやりたい。


「闘技場毎にレギュレーションがあって、☆3、☆4、☆5、☆6、☆7・・・今の所、☆5が一番人気となっています。☆4の準優勝や、☆5の3位よりは、☆3の優勝が報酬多いので、狙えるなら☆3に行けばいいですが・・・私達のPTなら、☆5になっちゃいますね」


なんだか☆3にエントリーできそうな気がする。


「出来ませんて。出来たら何でもしてあげますよ」


今何でもするって言った。


「寝る!」


パナケアがベッドに倒れ込む。

さっきまで俺が座ってたベッドだ。

あそこが良かったのか。

まあ、俺はこだわらないし別の所でいい。


残ったベッドに入り、寝る。


「おやすみ」


挨拶をかわすと、寝る努力を始めた。


--


『ここが闘技場です』


レインに案内され、闘技場に着く。

マップは有るが、案内してもらった方が楽だし、レインに案内されるのは嬉しい。


『・・・と、とにかく、エントリーして下さい』


レインに促され、受付に行く。

12時迄にエントリーを済ませ、13時から順次試合開始。

基本毎日開催らしい。

サモナーの育成や、見世物として開催されている、という設定のようだ。

闘技場専用のポイントもあり、集める事でレアアイテムとも交換出来るとか。


『レギュレーションチェックは、デッキから自動判定されるので、レギュレーション違反のレートには参加できません』


『なるほど』


「☆3レートに参加します」


「はい、受付しました」


『ちょ』


レインが呻く。


『な、何で☆3に参加できるの?!』


『3だからかなあ?』


『ど、どういう事ですかあああ』


驚いた顔で、俺の顔を掴み、じっと見てくるレイン。

人化していないので、体を揺すれる程の力はない・・・実はあるかも知れないけど。

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