第26話 おふろしーんはもっとさあびすかい
「レイン、貴女、ご主人様を独り占めしたかっただけじゃないの?」
ライが外から声をかけるが、
「私は監視です」
そう言って、背中合わせに湯船に浸かるレイン。
・・・レインもスタイルいいし、だいぶドキドキしてしまうのだけど。
背中、柔らかい。
勿論、人化した姿も好みだけど・・・この世界に来て初めて会って話した仲間・・・みんな好きだけど、やはりレインは一番・・・な気がする。
こうしていると落ち着く。
外から声は聞こえるけど、あまり頭に入ってこない。
心臓がドキドキいっている・・・この音、聞こえていないと良いけれど。
落ち着く、とはいったけど、落ち着かない。
一緒にいてくれて感謝している・・・でも口にできない・・・
そんな・・・
「わざとやってるんですか?!」
レインがいつの間にか立ち上がって、こちらの肩を持ってがくがく揺らす。
レインが顔を真っ赤にして、涙目で睨みながら言う。
「わ・・・レイン、一体何を・・・?!」
・・・あ、心を読めるんだっけ。
ついつい本音を考えてしまった。
レインに聞かれないよう・・・別の事を・・・さっきの柔らかかったなあ・・・でもやっぱり、レインのだから、というのが嬉し・・・
「わざとですよね!本当に気持ち悪いですね!」
更に顔を真っ赤にして、正面からがくがくと体を揺すられる。
むう・・・
ぽちゃん。
そのまま体を預けて、耳元で、
「そんなの・・・私だって・・・すぐ消える予定だったのにこうして一緒にいれて・・・名前もつけてもらって・・・感謝してるし・・・好きなんだから・・・」
そういって体を預けてくる。
「レイン・・・」
顔を正面から見て・・・そっと唇を・・・
「寒い・・・入るよー!」
パナケア達が入ってきた。
--
とりあえず、レインの説得で、みんなタオルを着用する事になった。
「魔物の姿じゃ駄目なのか?」
俺が尋ねると、
「キノコだから水を吸っちゃう!」
パナケアが答える。
「木だからお湯は苦手」
忍だからじゃなかった。
ユグドが答える。
「すり抜けるので」
ライが答える。
確かに。
「へへー」
パナケアが抱きついてくる。
わわわ・・・
「あらあら」
ライも体を押しつけてくる。
ちょ・・・
「とりあえず今は待ちなさい。そういう事はもう少し慣れてから。ご主人様が処理不良起こしてます」
レインがパナケアとライを引き離す。
「ほら、体を流させて頂きます」
レインは意外と強い力で俺を立ち上がらせると、椅子に座らせる。
「そりゃ魔物ですから。人化してもそれなりに力はありますよ」
そう言うと、体を洗い始めた。
気持ちいい。
「有り難う」
「どういたしまして」
優しい声がする。
その後、体の洗い方等も教えつつ、みんな温まるまでゆっくりと湯船に浸かった。
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