第24話 みりょくあっぷ

視界に入る人が、時々、悪人、とか、関わると面倒くさい、とか、注意マークが付いている。


『この悪人、とかの注意マークもレインが?』


『それは私の能力ですね』


ライが言う。


『そう言えば、なんか他の人から注目される度合いが減った気がするけど』


『忍です故』


ユグドが応える。


『魅力アップ発動する~?』


パナケアが聞いてくる。

フェロモン的な物か。


『絶対駄目』


レイン、ユグド、ライの声がハモる。


そうこうしている内に、ギルドに到着。

クエスト達成を報告し、ついでに幾つか素材を納品。


『そろそろ☆4も見えてきましたか?』


レインが聞いてくる。


ギルドランク:☆☆☆

ギルド貢献度:4231 / -


『不可能かなあ』


『何故残念マスターはそこで突然弱気になりますかね』


さて・・・今日はもう宿屋で休もう。


お金に余裕が出てきたので、豪華な部屋だ。

いつも通り、3人分の値段を払う。

連泊したら安くなるし、そうしようかなあ?


『そうですね。同じ部屋だと落ち着きますし。もしくは家を買うとか』


『流石に家を買うようなお金はないぞ?』


『☆5ダンジョンを周回するとか、土日のみ出現するゴールドダンジョンに行けば良いかと』


『曜日ダンジョン・・・こんなところもソシャゲっぽいのか。でも良さそうだな』


今日の日付を確認すると、火曜日だった。

☆5ダンジョンは行ってみようかな。


『ぽふー!ご飯食べたい!』


『そうだな、食事にしようか』


ぽふ。

みんな人化していく。

みんなそれなりに服を着ているのは、魔法的な何かだろうか。


『ちょ』


『な、何でみんな人化するの?』


同じく人化したレインが慌てながら聞く。


『キノコより人型の方が食べやすいから!』


パナケアが言う。


『忍です故』


ユグドが言う。

忍なら仕方ない。


『そもそも、人化しないと食べられないのですよ〜』


『確かに』


ライの言葉に俺は頷く。

食べられないなら仕方がない。


『私も、人化しないと量が食べられないですしね。仕方がないですね。まあ、変身してるところさえ見られなければ大丈夫でしょう』


レインも頷く。


「よし、じゃあ行こうか」


ホテルの人に見つかっても多分大丈夫、だよね。


--


「美味しいですね」


山盛りの果物を食べるレイン。


「美味しいです!」


多種の山盛りの料理を次々に食べるパナケア。


「美味しいでござる」


見目良く、バランス良く取った料理。

それを上品に食べるユグド。


「これが食事・・・」


食事と言うよりは味見、的に、ひとかけずつよそってきたのを食べるライ。


みんな喜んでいて良かった。


「あ、ファンドさんだ。ファンドさんもここ利用されてるんですね」


エリスだ。

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