第3話 ちょうはずれすきる

「えっと・・・それって・・・メリットは何・・・?」


「☆3が必ず手に入りますね・・・」


それメリットじゃない。


「・・・つまり?」


「超ハズレスキルですね。非常に残念です」


・・・何・・・だと・・・


「一応フォローしておくと、☆3でも育てれば最高レアの☆7まで進化する可能性があります。また、進化の方向性は育て方で異なる為、必ずしも☆5が最高とは限りません」


・・・でも☆5から☆7になった方がお強いんでしょう?


「・・・大体分かった」


「流石、人生のあらゆる事に失敗してソシャゲに逃げ、ソシャゲ界とSNSではそれなりの存在感を示していたご主人様だけはありますね。理解が早くて助かります」


「ちょ?!」


「案内を円滑にする為、多少の記憶は参照させて頂いています。安心して下さい」


出来ないし、今凄い勢いでdisったよね?!


「それでは、まずはチュートリアルダンジョンを開始しますね」


世界が暗転、洞窟の中に変わる。


「まずは、ユニットを召喚して下さい。ユニットがいなければ、プレイヤーがダイレクトアタックを受け、即死します」


えっとこれかな・・・スマホの手札、をタップ。

フェアリーを選択。


ゴウッ


目の前にフェアリーが召喚される。

と言っても、今まで肩に乗ったりふよふよしてたのが、前に出現しただけって気がする。


「これで、私がユニットとして召喚されました。これで先に進めます」


移動すると、フェアリーがふよふよ移動する。

別に1歩動いたら1歩動く・・・みたいな感じじゃなく、近くをふよふよ浮いている感じだ。

これ別にあまり変わらないのでは。


「スライムです。戦闘になります」


スライムがぶよっと出てきた。

フェアリーが構える。


「戦闘には、オートとマニュアルがあります。マニュアルは、細かく指示が出来るのですが、自分の残念さを自覚しているならオートを選んで下さい。オートの場合、作戦指示もできますが、自由、を選んで下さい」


言われたとおり選ぶと、フェアリーがスライムに近づき、雷の魔法を放って倒す。


「おめでとうございます。素材、スライム塊をドロップしましたね。これは店に売ったり合成の材料にしたりできます。端末の倉庫に自動で入るので、回収の必要はありません」


便利だ。


「経験値も入り、レベルが2に上がりました。この調子で戦闘をしましょう」


何かサクサク。

これなら行けそうな気がする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る