第104話 色々乱れています

「甘いのです。体型分は道具でカバー。タララリッタラー『双頭ダブルマーラー』」

 会長は最低過ぎる道具をどこからともなく取り出した。

 見た目もえげつないシリコンラバー製品だ。

 ちょっと待て。


「そんな怪しすぎる性玩具、学校施設内に持ち込むな!」

 見た目からして完全にやばい。


「私も使うのは始めて。だからかなり痛いとは思うのです。でも正樹との愛の為なら我慢するのです。それでは正樹からレッツトライイット!なのです」

 こら待て。


 しかし敵は瞬間移動で僕の背後へ。

 とっさに回って防御。

 敵は再び瞬間移動。

 まずい、真後ろだ。

 僕が動くより敵の方が早い。


「それでは愛の一発なので……」


 会長の台詞が急に途絶えた。

 咄嗟に背後を見る。

 会長の姿は無い。

 そして部屋入口に理彩さんの姿が。


「残念、逃がした」


「いや助かった。ありがとう」

 心からほっとする。

 今回のは本当に危険だった。


「大丈夫。今回のは会長のお遊びだ」

 いえいえ理彩さん。

 いや、真剣に貞操の危機を感じたのですけれど。


「会長が本気ならズボンとパンツを空間操作で排除している」


 あ、確かに。

 急激に疲れを感じた。


「ねえ、今何があったの」

 未来さんが入ってきた。

 どうやら理彩さんが会長の気配に気づいて先行してくれたらしい。


「大したことはない。会長の趣味だ」


「大したことないって、正樹が何かげっそりしているけれど」


「いつもの事だ。正樹はあと10分、取り敢えず休め。」


 はい、そうします。

 という訳で畳の上にべたっと倒れて目を閉じる。

 はあ……

 と思ったら。


「時間だ」


 すぐ起こされた。

 時計を見ると11時の5分前。

 つい寝入ってしまったようだ。

 そんな訳でキッチンへ移動する。


 ◇◇◇


 キッチンには楓さん栗平組とほぼ同時に着いた。

 2人の装備を見ると風呂に入っていたようだ。


「いやあ、試合の疲れをまったりエロエロと回復させてもらったぜ」

 おいおい。

 何をしていたんだ。


「大丈夫、風紀は乱しまくっているが一線は越えていない」


 おいおい。

 まあつまり昨晩の風呂と同様だろう。

 栗平の様子が何か変なのは気のせいか。


 未来さんは呆れている。

 一方、理彩さんは頷いている。

「なるほど、参考になる」


 これ、何を参考にしているのだ。

 そう思った時に隣室組がやってきた。


「うーん。乱れているな」

 明里さんが一言。

 思い切り色々が持ち魔法で見えてしまったらしい。

 あと彩葉さんもちょっと顔を赤らめている。

 この人も心理系魔法持ちだったな、確か。

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