第96話 まずはテニス見学から
食事後、部屋で一服中。
なお栗平と楓さんは早々に部屋を出て行った。
何かしら回りたいところがあるらしい。
そしてテニスの抽選会に出ていた未来さんが戻ってきた。
「試合の組み合わせが決まったわ。最初は1年どうし」
印刷された組み合わせ表を見せて貰う。
全部で32人。
うち1年だけで12人参加している。
授業に出ているのは10人だそうだから、それから見ても多い。
僕が知っている1年生はこの部屋と隣の部屋の合計5人。
うち出ているのは未来さん楓さん愛海さんの3人だ。
「こう見ると1年生のうち、ここに来ていて参加していないのは理彩と彩葉、あと
「私の模擬戦の相手が桃花だ」
授業に出てこない相手とかがいるのが普通科と違うな。
「それで1年の本命は誰なんだ?」
「私と言いたいけれどね、多分楓よ」
えっ。
意外な名前が出てきた。
でも。
「未来も気づいたか」
なんて理彩さんが言っているし本当らしい。
「ナイフ投げだけでもわかるわ。筋力増強魔法を最小限かつ無駄なく使っている。
それに正樹は気づいていないようだけれどね、ナイフ投げで刺さった痕。抜いてしばらくすると全部元通りになおっているの。だから最低でも物質加工も持っている。なおかつ目視で見ないと気づかないという事は魔法コントロールも並じゃ無い。
プラス、あの心理魔法。相手の作戦がまるわかり。優勝候補にしていい実力がある筈よ。今年のルールなら」
本年のスーパーテニスのルールは、
○ 物理的に魔法で動かしていいのは自分とラケットだけ
○ 相手及びボール、コート等施設に影響を及ぼさない範囲の受動的魔法は可
○ 試合数が多いので4ゲーム先取制とする
○ 他はテニスのルールに準ずる
と組み合わせ表の下に書いてある。
「これって火とか風とか普通の魔法使いに不利じゃ無いか」
「私もそうだけれど、そういう魔法使いは大体筋力強化も使えるのよ。あと私は限定的だけれど加速も使えるから。時空間魔法の初歩の初歩程度の力だけれど」
「加速ってどんな魔法なんだ」
「ごく短時間、自分の身体にかかる時間を加速して急激な動きを可能にする魔法よ。まだ覚えたてだけれどね」
「時空間系か。あれは才能無いと習得は無理」
「だから今回の大会、結構いいところ行けるかなと思ったんだけれどね。さて、私の試合は第5試合だからまだ先だけれど、どうする」
「第1試合、見てみたい」
第一試合は知らない1年生と楓さんだ。
「
「誰もが隠し球を持っている。楓が勝つと思うが未来は見た方がいい試合だ」
理彩さんが意味ありげなことを言った。
「なら見てみましょうか。1年同士だからそんなに混雑していないでしょうし」
「中継もある。問題無い」
あの脳内中継か。
あれは便利だな。
その気になれば見ないことも出来るし。
そんな訳で3人で建物を出て、隣のテニスコートへ。
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