第93話 似たもの同士

 結局。

 2人より先にお風呂から上がってきた。

 要は色々限界だったのだ。

 ちょっと寄り道して色々落ち着いてから自室の405へ。


「よう、何か疲れているな。理彩や未来と何本か勝負したのかい」

 こっちにも疲れる原因が待っていた。


「そう疲れる原因呼ばわりしないでくれよ。それで混浴の結果どう判断したんだい。顔がロリで巨乳の理彩か、両方ロリの未来か」


「そういう関係じゃ無いですよ」

 うん、今はまだそういう関係じゃ無い。

 どっちも好きだけれど恋とか愛というのとは多分違う。


「そうか、両手に花のハーレム狙いか。やるな正樹」

 そうまとめるか。

 何かまたわかってしまった。

 楓さんが栗平と相性がいい理由が。

 思考というか発想が同一方向だ。


「何だ、柿生も結局混浴だったのか。しかも3Pで」


 ちょっと待て栗平。

 こっちはそのつもりじゃ無いし。

 そもそもだ。


「そんなピーな行為はしていない。理彩さんが会長からのガード役として来たから、未来さんも来てしまっただけだ」


「それって会長が混浴しているだけの方が被害少ないし健全なんじゃ無いか」


 確かに言われてみるとその通り。

 栗平の言う通りなのだけれど。


「まあ細かい事はいいじゃないか同胞よ。それでどっちの身体が好みだ。見て触れて感じた感想は」


 結局この話題に戻って来た。

 今度は栗平の言葉で。

 うん、やっぱりこいつら似たもの同士だ。

 

「確かに一瞬見えてしまったのは否定しない。でもその後の2つは余分だ。というか、そんな事をしていたんのかそっちは」


 見てはともかく触れてとは。

 何をやっているんだ。

 学校の施設だぞここは。


「残念だが最後の一線は越えていない。学校の施設内で越えると良くて停学、普通は退学だからな。せいぜい全身洗い合っただけだ」


 充分だ。


「何か今日、一気に大人の階段を登ってしまったような気がする」


 おいおい栗平。


「颯人に大分毒が溜まっていたようだから抜いてやったしな」


 楓さんが危険な一言。

 それってまさか……


「安心しろ。手でだ。胸でやるにはボリュームが足りなくてな。お口でやるのは学校施設だしどうかなと思って」


「それでも充分アウトです」


「ちゃんと事後の風呂場はきれいに流しておいた。トイレでこっそり抜いてくるよりは衛生的だと思うぞ」


 そこまでバレていたか。

 まあ思考を読むからな。

 それにしても。


「エロ方面に走りますね」


「ある程度やってしまえば落ち着くとは思うのだけれどな。まだ処女なもので妄想と子宮のうずきが止まらないのだ。だから早く颯人に免許取らせてバイク買って、ラブホへGOしたいのだ」


「免許取得後1年は2人乗りは出来ませんよ」


「そんなの免許確認に来た警察官を魔法で一発」


「なら免許取る必要は無いじゃ無いですか」


「正式にバイクを購入するには必要だろ。学校側にも」


 なるほど。

 楓さんを止めるのは不可能だな、これは。

 ならば次善の策だ。


「栗平、諦めてさっさと免許を取ってバイクを買え。学校の提携教習所を使えばある程度安くなる。バイクも何とか動く程度のを買って春日野経由で杏さんに直して貰えば安く済むだろう」


 被害は栗平1人に背負って貰おう。

 そう思ったら。


「他人に頼るまでも無い。私も物品変成加工魔法は一応使えるからな」


 えっ。


「心理系の魔法使いじゃないんですか」


「そっちはそっち、こっちはこっち。後は熱とか冷気とか、色々と」


 万能系魔女だったか。

 何か色々と始末に負えないタイプだな、これは。

 よくよく理解した。

 楓さんは栗平に任せよう。

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