第92話 やっぱり危険な小浴場
そんな訳で。
栗平達が上がってきた後こっちも風呂に向かった。
勿論混浴予定は無い。
無かったのだけれども……
「颯人達は用心深かったのですよ……」
お約束で出てきた
その騒ぎの気配で理彩さんと未来さんが様子見に来て。
「念の為見張りは必要」
と理彩さんが居座ったため、未来さんもやむを得ず同伴。
「こっち見ないでよ」
「わかっている」
と言いつつ混浴状態になってしまう訳だ。
見ないようにしているのだが初っ端のどさくさで全部見えてしまった。
普通の服装ではわからないが、理彩さんは胸が結構大きめ。
逆に未来さんは小さめ。
どっちがいいか等と考える余裕は僕には無い。
「こっちの風呂の方が空いていていい」
「確かにそうだけれどね」
洗い場からそんな声が聞こえるが。
僕は良くない。
「男は諦めが肝心」
「まだこっち向かないでよ。髪を洗っているから」
はいはい。
水の音だのボディブラシの音だの何だの。
色々な音だけでも結構厳しいのだけれども。
理彩さんは表層思考がある程度見える。
でもそれに対する用心なんて出来る余裕も無い。
上がる時にはどうしても洗い場の2人の方に視線が行く。
だから出る事も出来ない。
幸い浴槽は3人で足を伸ばせる程度はある。
だから反対側を向いて入っている訳だ。
そして。
入ってきた。
まあ洗い終わったら浴槽に入るよな。
それはわかっているけれど緊張。
何せ全裸で真横にいる訳だ……って意識するな僕。
「気にしないでいい」
「でもこっち向かないでね」
そういう事はこの近くに感じる方が理彩さんで、入ってきたのが未来さんか。
こら僕の心臓落ち着け。
会長程度に対処しろ。
無理か。
「一応タオル巻いたからこっち向いていいわよ」
その台詞にほっと一息。
壁際に入っていて壁際を向いていたのだが、90度程横方向へ。
確かに2人ともタオルを巻いていて一安心。
ただ意識するとそれはそれで……
髪が濡れているし、風呂の熱気で身体が火照っているし。
更に。
「もう少しこっちに寄れば未来も楽に足を伸ばせる」
そう言って理彩さんがこっちに寄ってくる。
僕は慌てて横の壁にひっつく暗いまで移動した。
でも完全に柔らかい腕というか肩部分くっついてしまう。
更にタオルから見える胸の直ぐ上部分とか、微妙にガードが余り胸部分とか。
水中の太ももまでむき出しの足も気になるし。
「うーん、こっちのお風呂もそこそこ広くていいわね」
なんて未来さんは言っているけれど、こっちはもう限界だ。
これ以上理彩さんに恥ずかしい思考を読まれる前に……
「気にしない。だから大丈夫」
理彩さん、先回りしてそんな返事しないでくれ。
逃げられないじゃないか。
なお既に下半身に生理的現象は起こってしまっている。
それも理彩さんに筒抜けなんだろうな……
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