第83話 第2回目合宿の概要

 4月22日水曜日午後5時、準備室。

 4月24日から26日までの第2回合宿のパンフレットが完成した。


「今度は多いぞ。42人だ」

「前回の倍ですね」


 そんな訳で早速見てみる。

 日程は2泊3日。

 やることは前回とあまり変わらない。

 ハイパーテニス、ハイパー卓球、カードゲーム。

 ただ前回と違うものもいくつか。


 カードゲームは人数が多いので2日目の夜ぶっ通しで開催。

 だから執行部の部屋が大広間から2階の業務用室6畳2間へ。

 先生の部屋が1階業務用室へ移動している。


 あとは錬成合宿に向けての模擬試合とか。

 新作魔法杖の使用体験会もある。


 色々確認していると。

「何故私と正樹の部屋が違うのですか」

 会長の抗議が聞こえた。


 部屋割りか。

 ささっとページをめくってみる。


 最終ページにバスの座席表と部屋割り表があって。

 僕の部屋は……確かに。

 執行部の部屋は2階業務用室だが、僕の部屋は4階405号室になっている。

 会長は当然執行部の部屋だ。


「今回初参加の楓さんがいますから。理彩さんは楓さんとは相性が悪くないでしょう。それに楓さんは今回颯人さんを連れてきます。

 ですから405号室は楓さんと颯人さん、そして理彩さんと未来さんと正樹さんにしました。恐らくこの組み合わせが一番楓さんの負担にならないでしょう」


「了解した」

「しょうが無いわね」

 理彩さんと未来さんがそう返事。


 そうすると残りの男1人、春日野はどこかなと見てみる。

 隣の部屋だった。

 403号室。

 組み合わせは明里さん、杏さん、愛海さん、彩葉さん、秋良。

 要は夕飯を一緒に食べている連中だな。


「私も405に移動出来ないのですか。男子2人で悪戯し放題なのです」

 おいおい、そんな事公言するか。


「執行部部屋を入れて9部屋ですからね。1部屋4人から5人の計算です」

「だいたい悪戯したいなんて理由、通す訳にはいかないですわ」

 舞香さんと遊里さんがそう返答して。


 更に。

「颯人には手出ししない方がいい。刺される」

 なんて怖い事を理彩さんが言ったりする。

 何だそれ、刺されるって。


「楓の魔法は精神系だが趣味と攻撃手段はナイフ。外出時は常に4~5本持ち歩いている。刃物を集めると作るのが趣味。切り裂く為の機能美に心が洗われるそうだ」

 おいおい怖いぞそれ。


「大丈夫なの、それ」

 未来さんまで。


「大丈夫、まだ実際に刺したことは無いそうだ」

 理彩さんの言葉にちょっとほっとする。


 さてと。

「今回は僕含め、普通科3人は後のバスなんですね」

「ああ。今回1年生3人は執行部業務から外した。だから大いに楽しんでくれ。買い出しは先のバスでやっておく。寮で後発ののバスを待っていてくれ。2日目昼の料理当番だけ403と頼む」


 明里さん達となら問題無いな。

 色々安心。

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