第37話 やっぱり出たなお約束

「あとは千歳、教室で話した通りだ。3人はこっちと向こう、自由に行き来させてくれ。必要資材等があれば出来る限り用意する。予算の都合上あまり期待するなよ」


「ああ。状況そのものは歩美にも聞いた。でも私を含め、出来る事しか出来ない。

 それは承知してくれ」


「わかっている」

 会長は頷いた。


 それにしても会長の戯れ言が今のところ一切出ていない。

 かなり違和感を感じる。


「それでは頼む。あと1年生へ。もし不味いとかやばいとか思ったら容赦無く私を呼んでくれ。例えそこが正樹のベッドで避妊具が無くとも私は駆けつける」


 おい!

 最後に出たな。

 変態な冗談。


「甘いな。ここに所属させたら最後と思え。一般人の精液など赤玉が出るまで搾り取ってやる」

 こっちの先輩も変態だったか。

 でもまさか本気じゃあるまいな。


「古来男の精液は魔術薬の原料とされているしな。もしも搾り取る作業をするならばだ。その際は私自ら協力しよう。手取り足取り腰とって」


 こら会長何を言う。


「甘いな。そんな楽しい作業を貴様になど渡す物か。

 というのは冗談として安心しろ。あんなのは一神教が魔法や魔女を貶める為のデマに過ぎない。そんな物で魔術薬が作れるか」


 良かった。

 怪しい事はされずに済みそうだ。


「でも全裸実験は実際にやったじゃないか」


 なに!

 その怪しい言葉の響きは何ですか。


 でも会長の言葉に千歳さんは頷く。

「古来魔女の正装は全裸。そういう話があったからな。

 だから対照実験として、

  1 全裸で

  2 全裸にマントだけ

  3 全身黒尽くめの服装

  4 制服

で魔力測定をやった。

 ここにいる3人でな。

 結果は誤差程度の違いしか出なかった。つまりはガセだったという訳だ

 流石に魔法で姿は見えなくしたが、冬の校庭は寒かったし恥ずかしかったぞ」


「もう遠慮したいです」

「同意」

 後の2人が同意する。


 僕の想像力が先走りそうになって。

 咄嗟に素数を頭の中で数えた。

『2、3、5、7、11、13、17、19、23……』 

 51は違うよな3で割れるなと考えたあたりで。


「まあ、お互い努力はしよう」

「頼むぞ。では失礼」


 会長の姿が消えた。

 お約束の短距離移動魔法だろう。


「そんな訳で、まずはここの3人と研究内容について紹介しよう。

 杏と紬も適当なところできりつけてこっちへ来い。お茶にしよう」

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