第27話 応援要請入りました

 そんなテニスという名の格闘技。


 既に、

  ○ 20個以上のテニスボール崩壊

  ○ ラバーコート1部に焦げ跡

  ○ 魔力を使い果たして倒れる女子高生の山

という損害を出している。


 なお倒れている女子高生は会長や波都季さん等の魔法で大広間に転送。

 治療魔法持ちの麻里副会長がまとめて様子を見ている。

 自分のタオルを取りに行った際ちらりと見た。


 この女子高生が集団で倒れている様子、何気になかなかエロい。

 でもあまりそう思いながら見ている訳にもいかなかった。

 何せ周りは魔女の集団。

 表層心理くらいどこからか魔法で読まれそうだから。


 さて、試合は遂に決勝戦。

 3年のマルチ系魔法使い真奈美選手と2年の風・念力使い美菜美選手。

 まさに試合開始というところで未来さんに捕まった。


「正樹、どうせ暇でしょ。人数が足りないの、手伝って」


「何を」


「昼食作り。テニスで死屍累々って感じで人手が足りないの!」


 なるほどな。

 僕が見た状態で10人は倒れていたし。


 そんな訳でキッチンへ拉致される。

 いたのは未来さんの他に明里さん、理彩さん。

 何か朝とダブっているな。


 でも未来さんが頼むとしたらやっぱり先輩より1年が頼みやすいだろう。

 という事で取り敢えず納得して。


「何を手伝えばいいですか」

 と聞いてみる。

 明里さんがフライパンで何かを炒めながら口を開く。


「朝に引き続き宜しく頼む。

 今日の昼食はスパゲティ。おかわり含めて30人分を調理。鍋の大きさがあるので5人分ずつゆで中。


 茹で上がったら

  ① ザルで水分を飛ばし、ボールに入れて

  ② オリーブオイル大さじ3と乾燥バジル大さじ3を入れ混ぜて、

  ③ 混ざったら大ボールに移す。

 水が入った鍋が重いのでその作業を頼む」


「わかりました」


「一番左の鍋から3分おきに茹で上がる計算」


 了解だ。

 なお明里さんと理彩さんは深めのフライパン2個で何かを作っている。。


「そっちは何を作っているんですか」

「スパゲティ用のソースだ。クリームソース風というかチーズ多めのシチューだけどな。そっちで出来たスパゲティにこれをかければ今日の朝食は完成」

 なるほど。

 というところで、


「一番左の鍋、あと30秒。かき混ぜ頼む」

「了解」

 菜箸で底に着かないようかき混ぜて。


「完了」

 の言葉とともにシンクに鍋を持っていき、用意してあるザルに開ける。

 そしてすぐ横にあるボールに入れ、オリーブオイルを大さじで計り、もう一つの大さじで乾燥バジルを計って入れて。


 あとはひたすらかき混ぜる。

 最初はちょっとボールにくっつきそうだったが、オリーブオイルのおかげですぐにきれいに混ざるようになった。


 その間に未来さんが僕の使い終わった鍋に再び水を入る。

 そして塩を入れ、ガス台に。


「乾麺投入まで後2分」

 なるほどな、システマチックに動いている。


「オリーブオイルは多少冷めても麺がくっつかないようにするため。あとは香り要員。なお次の鍋ゆであがりまであと1分30秒。大ボールに移してスタンバイ」


「了解」

 こんな感じで昼食作りが進む。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る