第19話 宴会の始まり
結局。
僕は風呂場から逃げ出した。
高校3年の女子の先輩と同じ風呂に入るというのはかなりやばい。
たとえ見かけは小学生と言えども、だ。
実際見ないようにしていたが一通りは見えてしまった。
ぺったんこの胸に筋だけのあそこだけれども。
こっちも色々見られている事だろう。
お婿に行けないとまでは言わないがちょっと気分的に色々厳しい。
しかも明後日まで同部屋なのに。
まあそんな感情はなるたけ隠して。
「災難だったな」
なんて笑っている波都季先輩に、
「勘弁して下さいよ」
と言ったりする程度でとどめておいて。
さて。
そろそろ午後7時なので1階の食堂に移動する。
4人用テーブルを10個並べて大きいテーブル状態にして。
そこを22人で囲むようなかんじのセッテジングになっていた。
並べているのはスーパーで買った惣菜や冷凍食品のレンチンが主。
あとはウーロン茶やコーラ、サイダー等の飲料だ。
これで充分に宴会らしい雰囲気になっている。
席順とかは特に無さそうなので隅の方へ行こうとすると。
会長に捕まった。
「今日の
真ん中から1つ右側に座らされる。
そして中央を開けて向こう側に同様に連れてこられた女子2名。
ひょっとしてこの2人が1年生なのかな。
話をしようか今は止めておこうか考えていたら、間にどんと大きいのが座った。
藤沢先生だ。
ちなみに藤沢先生は自前用缶ビール500ミリを持参している。
他の人も席について。
端の方から沙霧さんが口を開いた。
「お待たせしました。新人歓迎合宿第1日目、夕食兼歓迎会を始めたいと思います。まずは藤沢先生、恒例の一言をお願いします」
「うむ」
先生が立ち上がる。
「それでは顧問として一言。問題は起こすな。以上」
それだけで座ってしまった。
短すぎないか、それ。
でも誰も意外そうな顔をしていない。
どうやらここではこれが普通で恒例の模様だ。
「さて、それでは乾杯の音頭を魔法研究会会長の百合丘静音さんお願いします」
「よろしい。それでは皆のもの、ドリンクを準備」
という訳で。
ウーロン茶を取ろうとしたが先に取られた。
なのでコップを持って前の席の女の子にウーロン茶を入れて貰う。
お返しをしようとしたら先に他の女の子に目当てのコップに入れられてしまった。
なお先生は自前ビール缶を開けるだけの模様。
「では本年度第1回合宿、乾杯」
乾杯、という事で。
先生は誰とも乾杯せずビール缶一気をしているので、周りの女の子や会長と乾杯。
その間に先生は缶ビール1缶500ミリを飲み干して。
「では後はよろしく」
と去ってしまう。
会長の方を見る。
「ああ、先生はいつもああなんだ。だから部屋に1人分の料理は届けてある。心配しなくていいぞ」
そういう事だそうだ。
まあ確かにこの場にいても話もあわないだろう。
それで良ければいいんだろうな。
僕も個人的には色々心配なのだが。
浮いてしまいそうで。
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