第2章 魔女と新人歓迎合宿

第11話 今日も今日とて課外活動

 この学校。

 気のせいか授業のコマ数が多い気がする。

 何せ月曜日以外は1日7時限まで。

 これは少し厳しくないか。


 4月9日木曜日、つまり今日から授業が開始。

 そして午後3時50分。

 長文に苦しめられた英語2がやっと終わって。


「何かしんどいな」

「まあ高校だからな」

 なんて春日野と会話をして。


「どうする。今日は課外活動を何処か見に行くか」

 栗平が聞いてきた。


「俺はいいや。昨日、電子工作部に決めてきた」 

「早いな春日野」

「最初からこっち方面と決めていたからな」


 なるほど。

 確かにそう言っていたな。


「じゃあ柿生はどうする」

「僕もいいよ。取り敢えず帰宅部を謳歌しようかと」


 勿論言い訳である。

 魔女と活動が決まりましたとかは言えない。


「そうか、残念だがそれもひとつの見識だな」

「栗平はどうするんだ」

「昨日は軟式テニス部と硬式テニス部両方見たがイマイチだった。やっぱり女子成分が足りない」


 何を期待しているのだこいつは。

 いや、栗平はもともとそういう目的だったような気もする。


「今日は参考までに何処へ行くんだ」

「映研と文芸部とESだな。いかにも女性が多そうだろ」


 選択基準がなかなか不純かつ直接的でよろしい。


「うちのクラスの女子陣営はどの辺りなんだろう」

「唐木田さんは漫研と言っていたな。自他認める腐女子だそうだ。他は不明」


 漫研で腐女子か。

 それはなかなか強者だな。


「じゃあ、それで」

「また明日な」

 そんな感じで別れる。


 ◇◇◇


 物理・化学準備室の扉をノックする。


「入っています」

 会長の声だ。


「では失礼」

 逃げようとしたら前に会長が出現した。


「おにいちゃんのいじわる~」

 鳴き真似までしてやがる。

 しょうがない人だ。


「止めて下さいよその変な台詞」

「ロリババア路線より妹路線の方が効果的な気がしたんでな」


 まったく。

 既に疲れつつも扉を開く。


「こんにちは」

「こんにちは」

 返事が返ってくる。

 でも人数が違う。


 今日は7人。

 見知らぬ顔が2人増えていた。


 小柄な、と言っても一応高校生の範疇のおかっぱ髪の大人しそうな女の子。

 それと細型で同じおかっぱでも鋭角的な感じの女の子。

 いずれも2年のバッチをつけている。

 とりあえずは挨拶をしておこう。

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