第4話 大冒険時代

すずです。

目からうろこです。まさに回天ってやつ。

このあいだ、おそとのことお話しして、足元が消えてなくなっている!って言ったんだけど、とうとうやっちまったんです。

すずがしり込みしているとお父ちゃんが両前足をつかんでひとつ下の段に持って行って。

怖くて怖くて、「何すんの!」って叫びたかったんですが、口が乾いて何も言えません。

お父ちゃんには見られていないと思うんですが目は固く閉じたまま。でも・・・、あ!

足がついてる。

しり込みしている体を前にかけても・・・、え!大丈夫やわ。

ということで、勇気あるすずはこの難局をなんなく乗り越えて大冒険時代が始まりました。

グルリと右にまがった階段を四段降りると白い門があります。

おそるおそる降りて、その門をお父ちゃんにあけてもらうと、

わぁ!窓から見るだけだったおそとがすずの目の前に広がってる。

「おそと」ははめ込みの絵でもないし、テレビの映像でもないんよ。

第一お外には「裏」はないんよ。テレビなんか、なんやろねって思って後ろ見ると真っ黒な板だけ。

やっぱ、そんなもんやと思ってた。

「お庭」もポーチとつながっているんです。お花畑があって、柵があって、最初は怖かったやけど楽しくて飛び跳ねていたら柵を飛び越えてしまいました。そしたらそこがお庭だったんです。おうちの中から見ていた「お庭」に今すずがいるんやねん。

うれしくなっておしっこしたらお母ちゃんが「いい子いい子。オトイレはこれからおそとね」って言ってくれるし。

私ってホントいい子で賢くて怖いもの知らずよねぇ。


A A

( a a

> ● <

  ~

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る