さっきょく
みずべちほーの景色から一転、見たことない景色に驚く三人
「おぉ~」
「何か変わった~」
「あの、ここは?」
「ここは収録スタジオ。曲を作る為の場所だよ」
「曲を作るには最適な環境が整ってるからな。因みに俺が遊園地で歌った曲もここで作ったんだ。さぁ早速、曲作りを始めようか」
「「「「おー!」」」」
……
「まずは曲のジャンルを決めないとな」
「ジャンル?」
「どんな歌いかたにするかってことですよ」
「J-POPやロック、バラードとか、一口に曲といっても色んな歌いかたがあるからね」
「フルルはどんな歌いかたがしたい?」
「継ちゃんが遊園地で歌ったような
ゆったりしたのがいいかなぁ」
「となるとバラード調だね」
「まぁ、フルルの性格からしてもロックはないだろうと思ってたけどな」
「ねぇマーゲイ」
「なんですか?」
「マーゲイは出ていって?」
「なんでですか!?」
「マーゲイにも当日までのお楽しみってことにしたいんだろ」
「そういうこと~」
「そういうことでしたら仕方ありませんね。
では私は他の皆さんのレッスンに当たります」
場所は少し変わって
スタジオ内資料室
「次は歌詞だな」
継月は紙とペンを取り出した
「この紙にこのペンで歌詞を書くんだ」
「でもどうやって書けばいいんだろ?」
「難しく考えることは無いさ。自分が
伝えたい気持ち、そうだな……例えば
『ありがとう』とか『大好き』とか、そういうのをこの紙に書けばいいよ。あとはそれを元に歌詞を組み立てていけばいいから」
「分かった~」
それから二時間後
継月がじゃぱりまん数個と水を持って入ってきた
「どうだフルル?」
「うーん、多すぎて書ききれないよ…」
「紙は幾らでもある、思う存分書けばいいさ…っといいたいとこなんだが」
時計を見ると17:12を指していた
「もうじきに暗くなるな。マーゲイやアン姉ちゃんがプリンセス達に感づかれないようにしてるとはいえ、あまり遅くなるのもあれだ。今日の所はこれで切りにしておくか」
「そうだね」
「あっ、もう帰る?」
「あぁ、もう時間が時間だしな」
「ポッピーまたね~」
「うん、バイバーイ」
スタジオ(ゲームエリア)から出た二人
継月は元の世界へ、フルルは自分の縄張りへと戻っていった
歌詞作成開始から一週間後
「フルル~?進み具合はどうだ?
…って寝てるし」
そこには机に突っ伏して眠ってるフルルの姿があった
可愛い寝顔してんな
「えへへ~もう食べられないよ~」
寝言の定番まで!?
「ったく、気持ちよさそうに寝てるな
…ん?」
ふと継月が紙を見てみると端っこの方に絵が書かれていた
「これは…プリンセスにコウテイ、イワビーにジェーン、あとマーゲイか?よく描けてるな」
それにこれは…ペンギン?それに俺か?
それは他のペパプのメンバーにマーゲイ
そして左腕に紫色のバングルのようなものを
付けたペンギンと継月に似た人物の絵だった
「んぁ…あれぇ…私」
「あっ、おはようフルル」
「おはよー…。私もしかして寝ちゃってた?」
「もうグッスリと」
フ「そっかぁ。あっ、そうだ継ちゃん。
ぷろっと?っていうの書けたよ。はい」
「お、じゃぁ早速見せてもらうな」
フルルから渡された紙の束をみていく継月
うーん、お世辞にも綺麗な文字とは…所々読みにくいし
「うーん、これじゃ読みにくいな」
「うわっと!アン姉ちゃんどっから出てきたの」
「貸してみな。清書してあげるから」
アンは継月から紙を受け取り、机の上に置いた
そしておもむろに手のヒレを取った
「ソレって取れたの!?」
と継月が驚いてる傍らで猛スピードで清書をしていく
「…っと。ほれ、これで大分読みやすくなったはずだよ」
手渡された紙を見るとフルルの書いた文字列が箇条書きに訂正されていた
「すご~い」
「アン姉ちゃんてホントに何者なの」
「まぁ長いこと生きてりゃ色々あるよ~」
そういってアンは立ち去っていった
「ざっくりまとめられた…うん、でもこれなら…よし!これを元に歌詞を作っていくか!」
「うん!」
「サビの前のフレーズに羽、それに空か」
「私達の曲って飛ぶとかって言葉が入ってるからやっぱり外せないかなーって」
……………………………………………………
「約束は永遠に消えない…いいね、友情を感じる」
「でしょー」
……………………………………………………
「二番で昔の事思い出す歌詞を入れるのはどう?」
「いいねそれ」
それからしばらくの間歌詞を作るのに二人で
あーでもないこーでもないと試行錯誤を
続けた
でも継月は元の世界でやることが、
フルルはライブに向けてのレッスンがあった為、サプライズということもあり1日辺りの
二人での時間はそう長くなく、思いの外時間が掛かった
そんなこんなであれから一週間後ついに歌詞が完成した
「「出来たー!!」」
「よし、あとはこれに合わせてメロディー
コードを作って合わせるだけだ」
「じゃぁフルルはしばらくお休み?」
「あぁ、音楽が出来るまではそっちの
レッスンに集中してくれ
…ん?フルル、これ題名が無いぞ?」
「題名?」
「曲のタイトルだよ。
『大空ドリーマー』みたいな」
「うーん…思い付かないや。継ちゃんは?」
「いや俺かよ…そうだな…あっ」
継月は歌詞を見て題名を思い付いたのか、
フルルに耳打ちで題名案を伝えた
「うん、じゃぁそれにしよ」
「決まりだな」
継月の世界
Nascta~カウンター~
「うーん、バラード調の曲に合う楽器は
…やっぱピアノか?」
ギターを引きながらメロディーを考えてた
継月はメロディー自体は出来たものの
ギターだけでは物足りなさを感じたのか
色んなバラード曲を携帯で聞きながら模索
していた
…づき…いづき
「継月!」
「うわっ!…って惣一さん、脅かさないでよ」
「お前が何回呼んでも気づかないからだろ?それより、そろそろ時間だぞ?着替えなくていいのか?」
「……今日何かあったっけ」
「なにいってるんだ、今日はあのAngely Divaのミカエルとガブリエルが、テレビの取材で
来るって前から言ってただろ?姉さん達が取材に来るって聞いて喜んでたの、もうわすれたのか?」
そうじゃん!今日は美火姉と理恵姉がテレビ取材のロケでここに来るんだった!
「すぐ着替えてくる!」
「おー、早くしろよー」
……
そんなこんなでテレビの取材も無事終わり、
このあと仕事が入ってない&明日がお休みな
二人は惣一の計らいで、今日1日泊まることになった
今は姉弟水入らずで継月の部屋にいる
「久しぶり、継くん。元気そうでよかった。
大学の方はどう?」
「うん、まぁそこそこかな」
「にしてもびっくりしたなぁ。
まっさか取材先が継くんが泊まり込みで働いてるお店だったなんて」
「あはは…」
すると理恵が机の上にある紙を見つけた
「ねぇ継くん、これは?」
「あぁ、今作ってる曲の歌詞だよ」
「へー、継くん曲作ってるんだ」
「うん、友達が今度のライブその曲を歌うんだけど、その手伝い。今俺がメロディーコードを考えてるんだ」
「大切な人への想いを綴った曲なんだね」
「曲のジャンルは?」
「バラードだよ。それで、今どの楽器を使うかって悩んでるんだけど、姉ちゃん達もアイドルやってるし、昔はバンドをやってたでしょ?
何かいいアイデアない?」
Angely Divaは今は四人のアイドルグループであるが、昔はルシファーも含めた五人の
バンドグループとして活動していた
それを知っていた継月は二人に聞いた
「うーん、バラード曲はやったことがないかならぁ」
「優利さんや泉水流さんなら多分思い付くかもしれないけど…ごめんね継くん、力になれなくて」
「ううん、いいよ。元々フルルと俺の
二人で作り始めた物だし、結局は俺が考えなきゃいけないから」
「…継くん、今なんて?」
「え?『俺が考えなきゃいけないから』」
「もうちょい前!」
「二人で作り始めた物だし」
「誰と誰で!?」
「フルルと俺で」
「そこぉっ!」
「……!?」
「そういうのはもっと早く言いなよ!こうしちゃいられない、早くくんとラファくんを呼んでメロディーコード完成まで行くよ!」
「ちょっと待って美火姉さん!」
「何!?」
「もう夜遅いし寝ようか」
「「そうだね(うん)」」
そして翌日
「それで、私たちが呼び出されたと」
「ごめんね優利姉、泉水流姉」
「あなたが謝ることは無いですよ」
「美火ってば、継月がけものフレンズの世界とこっちの行き来が出来るって分かってそのフルルって子に会えると思ってるんでしょうね」
「そういえば美火姉、
『フルルが一番の推しフレンズ』だとか
いつかの時言ってたっけ」
「ほんとの事をいうとバンドから
アイドルに切り替えた理由、ミカエルが
けものフレンズを見てそれに感化されたから
っていうのもあるのよね」
「え!?そうなの!?」
そういえば美火姉がけものフレンズがどうとか言い始めてからしばらくしてバンド解散して
アイドルになったような…
そりゃ
「まぁいいわ、私たちもちょうど
オフだったし」
「とりあえず、この曲に合いそうな楽器を考えない?」
「そうだね、ライブまであと二週間しかないし」
「にしてもバラード曲、ねぇ」
「やっぱりゆっくりした曲なら、ピアノは
外せないと思いますよ?」
「あっ、泉水流姉もそう思う?」
「あとテンポを作る為にドラムもいるかも」
「ドラム…っと」
そして話し合いの結果
ピアノ
ドラム
ギター
バイオリン
の4つでBGMを作る事になった
「じゃあ使う楽器も決まったことだし、行こっか」
「何処に?」
「ボクたちが曲を作るときに使ってるスタジオだよ。やっぱり最適な所で作らないと」
「…というより、最初っからそこに集まれば良かったんじゃ」
「あっ…」
てことで場所は移って
Angely Diva専用スタジオ
「で、誰がどの楽器でセッションする?」
「じゃあバンドの時にドラムやってた私がドラムで」
「キーボード担当だったので私がピアノを」
「あとはギターとバイオリンだけど」
「じゃぁ私がバイオリンをやるわ。これでも最近趣味の一環でやってるのよ」
「優利さん、結構上手なんだよ?」
「じゃぁギターは俺g「ボクがやる!」え?でも」
「お願い!ボクにやらせて!
フルルちゃんとセッション出来る最初で最後のチャンスかもしれないから!」
「美火姉…。わかった、じゃあお願い」
「うん!」
それから優利姉達のお仕事の都合もあって
1日辺りのセッションをする時間も長くなくて完成までには少し時間が掛かった
そしてBGM作成開始から一週間が経った
「とりあえずBGMは完成したか。あとは
フルルと合わせるだけだ」
「継くん!」
美火が継月に「ボクも連れてって」と
いわんばかりの眼差しを向けていた
「…いいよ、一緒に行こう?フルルには俺から紹介しとくから」
「やっりぃ!」
「でも大丈夫なの?仕事の方もあるでしょ?」
「しばらくはお休みなのよ。マネージャーが『ゆっくり羽を伸ばしてこい』って」
「少なくともライブ本番の日まではお休みですから」
「じゃあお願いしていいかな?」
「構わないわ」
けものフレンズの世界の収録スタジオ
「というわけで姉ちゃん達の演奏で
合わせることになったけどいいかな?」
「いいよ~」
「じゃあ早速取り掛かりましょ?」
「うん」
フルルと姉ちゃんたちの互いの自己紹介も
終わり、
フルルと優理姉達は中へ、俺は聞きながら
調整をするためボリュームを変えるダイヤルとかがある機械の前へと向かった
「それじゃあ、始めようか!」
これが一週間程前
あれからフルルの歌いかたとか微調整を
加えていって、ライブ本番を翌日に控えた
今日、最終調整を行ってるってわけ
♪~
「よし!これで完成だ!みんなお疲れ様!」
継月から終了の合図が掛かり、中にいた五人が出てくる
「お疲れ様」
「お疲れ様です」
「お疲れ様~」
「お疲れ様です」
「おっつかれー!にしても、かなりいい曲に
仕上がったんじゃない?」
「うん、あとは本番を待つだけだ」
「にしてもフルルちゃんの歌声も可愛いし、
これじゃまた人気が上がっちゃうねぇ~フルルちゃん」
「美火姉、今のフルルにとっては人気とかそういうのはどうでもいいんだよ」
「ふぇ?」
「そりゃ、アイドルだから人気とかも
必要かもしれないけどさ、フルルは人気を
増やすとかそんなんじゃなくて、ただ自分の気持ちを伝えたいだけなんだよ。俺はフルルのそんな気持ちに応えたくて、曲作りを手伝うことを決めたんだ」
「継ちゃん…」
そこにマーゲイがやってきた
「継月さん、明日が本番ですけど…って、
そちらの方々は?」
「あぁ、紹介するよ俺のお姉ちゃん達。向こうでAngely Divaっていうアイドルグループやってるんだ」
「お姉さんがアイドルだったんですか!?どうりで…」
「ねぇ継月。そういえばこの曲、
題名が書かれてないわよ?」
「あ、書くの忘れてた」
「なんて曲名なの?」
「あぁ、曲名は」
”やくそくのうた”
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